とある空港での思い出 〜人の優しさに触れる〜
この話、舞台は2018年夏のダナン空港です。
ダナン空港はベトナムにあります。
少し時間は遡り、ダナン空港に降り立つ1日前の話をしましょう。
1日前、私はトランジットのために関西国際空港にいました。
成田から最終便で関空に到着し、明朝発の飛行機でベトナムに向かう予定でした。
しかし少し不安を抱きながら朝を迎えます。
なぜなら、前日の同便が遅延をしていたからです。
遅延に遅延を重ねて、私が乗る便も遅延するのではないか、と考えていました。
単に遅延するだけなら良いのですが、特にダナン空港でトランジットする予定でしたので、なおさら焦ります。
まあここまで読めば察しがつくかと思いますが、案の定遅延しました。
おおよそ3時間でしたでしょうか。
焦りながら搭乗します。
飛行中はただ大人しく乗ることしかできないので、頑張って落ち着こうと言い聞かせます。
その結果、爆睡です。
時は流れ、“まもなくダナン空港に着陸します”とアナウンスがあります。
その時点で、トランジット予定の飛行機の最終受付?の時間までおおよそ30分くらい。
もしかしたらいけるか?と僅かな期待を抱きます。
その後着陸した時点で、最終受付まで10分!
お、いけるかも?と思いましたが、その期待はすぐに裏切られます。
乗っていた飛行機はLCCだったので、バス移動だったのです。
タラップから空港に入りたかった……。
藁をもすがる思いで、CAさんにこのあとトランジットしたい旨を伝えます。
CAさんはどうにもならない!と言いながら、現地スタッフさんやバスの運転手さんに伝言リレーをしてくれました。
「あの日本人が〇〇便に乗りたいって!」と。
現地スタッフの方々が荷物を持って猛ダッシュ。
イミグレも猛ダッシュ。(ちゃんと手続きはしてます)
国際線ターミナルからベトナム国内線ターミナルへ猛ダッシュ。
やっと搭乗予定の航空会社のカウンターに着きます。
その時点で、(一応)タイムオーバー。
伴走してくれた現地スタッフの方が、搭乗予定の航空会社の人と喧嘩するように交渉してくれました。(笑)
結果、無理でしたね。
搭乗予定の飛行機は、もうドアクローズしてしまったと。
無念……。
その日はダナンからハノイに行く予定でした。
結局次の便で行けたので良いのですが。
何より、たくさんの方々に迷惑かけたことが申し訳なかった。
最後には、一緒に伴走してくれた現地の方に「本当にありがとう。」と伝えました。
すると現地の方が、すごい悔しそうに「ごめんね。」と。
本当に嬉しかったですね。
こんなにも優しい方々が世界にはたくさんいるのかと、良い意味でカルチャーショックでした。
だって、日本ではこんなこと起こりませんからね。
初めて会った時は“現地のスタッフの方”でしたが、一緒に走ってたら、気付いたら“現地の方”となぜか一体感を得ていました。
不思議ですよね、ほんと短時間なのに。
でも確かにあの時は、どこかに仲間意識がありました。
コロナが終息したら、またベトナムに行きたいですね。
もしあの時の方に会えたら、もう一度ありがとうを伝えたい。
Cảm ơn!!!(ベトナム語で“ありがとう”)