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ドイツに来た理由


ドイツに来てから約1ヶ月が経過した。
本当に来てしまった。


様々な友人に渡欧を伝えた時、キャラじゃないと言われたことは多々あった(笑)


そして自分自身が最もこの状況に驚いている。


元来、SNS投稿は最も苦手とする分野だが、今回の渡欧は人生最大のビッグイベントと意気込んでいる。


いつか自分が振り返るための記録くらいの軽い気持ちでnoteを書いていきたい。




〜渡欧1週間前〜


人生初の感情だった。大体の感情は味わったつもりでいた。


自分の知らない不思議な感情が湧き出てきた。ワクワクしつつもわずかな不安がある。


人生の節目で味わう新たな環境への希望と不安。


中学、高校、大学。
何度も味わってきたはずだった。
何故だ。人生において様々な岐路があったが1度もこの感情はなかった。

ただその選択の背景を振り返ると理由はすぐに分かった。大きな違いは、


「自らの勇気」


が介入したか。




今まで、人生の選択で勇気を使ったことは1度もなかった。


小学校は家の近くのチームに入り、中学は声のかけていただいたチームに入り、高校もそのまま内部昇格、大学も自分の行けそうなところを選択した。



もちろんその都度自分の意思で選択したわけだが、今になって振り返ると真っ直ぐ敷かれたレールを走っている感覚で、自分の限界や垣根を超えた選択肢にトライしたことは一度もなかった。


あくまで自分の手の届く範囲での選択といったところであろう。


今回の渡欧はその自分の手の届く範囲初めて越える選択である。



今回が人生で初めての「挑戦」だということに驚いた。


同時にそんな初めての挑戦をする自分への誇らしさもあった。




私の周りには幼くして海外へと旅立った友人が数名いた。


彼らが
海外へと旅立った時、
彼らの
近況を聞いた時、
一時帰国した時、
SNSでやり取りをした時、


その都度自分に置き換えて想像した。
自分が海外でサッカーすることが想像できるか?
海外でサッカーをしてみたいか?


答えはNo。
しかも拒絶的なNo。


海外遠征の経験はあったが拠点を海外へ移すことへの抵抗感は尋常じゃなかった。行きたくなかった。



海外に行けば、
言葉が通じない。
家族に会えない。
友人に会えない。
衣食住に困る。


サッカー云々というよりも生活基盤が崩れることの恐怖が大きいかもしれない。
「海外でサッカーをしたい」自分にはその感覚が理解できなかった。
幼少期からずっと。



ただ大学3年頃。
皆徐々に卒業後の進路を考える時期になる。


私自身、大学卒業後は日本でプロになることが目標であったが、入学してからずっと怪我でプレーしておらず試合にも出ていないため現実的に難しいだろうと感じていた。



ただ気持ち的には全然サッカーをやり切れていない。そうなると選択肢としては


日本で社会人サッカーを続ける。
もしくは、
海外、、、、、、


海外に移り住むことが不安で怖くて仕方なかった。この時点で気付いたことがある。


「自分は保守的で変化を恐れる人間なのだと」


最終的にはこの恐怖心が渡欧の決定打である。恐怖に蓋をしてはいけないと。
ここで目を背ければ守りの人生になると。


その危機感を煽り、背中を押してくれたのは大学4年間での経験である。

大学4年間、なに不自由なく生活させてもらった。両親、友人、部活、全て「自分以外」のおかげで。
本当に全てを与えてもらっていた。
毎日が楽しくて仕方なかった。
ストレスほぼゼロといった具合に。


ただ唯一、苦しみを感じたものがある。
それは怪我だった。入学後からずっとプレーできなかった。


怪我による焦り、不安、苛立ち、迷い、孤独。これは自らの心の中の出来事のため、誰かが助けてくれるようなものではない。


自分の心は自分でなんとかするしかなかった。


これらの感情をコントロールすることは容易ではなかった。そんな中でも前に進むためにはこれらの感情と向き合わなければならなかった。ネガティブな感情を受け入れ、噛み砕き、消化する。ひたすらこれの連続。



徐々に自分の感情をコントロール出来るようになり、入学前の自分よりも自分を好きになれた。


この成功体験から人間の1番の成長は苦しみの先にあることを理解した。



卒業する時、4年間を終えた感想は


「まだまだ苦しみが足りない」


唯一怪我は苦しかったが、それ以外の家族や友人との時間、部活動、アルバイトの全てが楽しすぎた。苦しい記憶を消し去るには十分すぎた。


そうして自分の卒業後の進路が決まった。最も自分が苦しむ道を選択すべきだと。


人によってはたかが海外移住と考えられる人もいるだろう。ただ自分にとっては一大事であった。


海外に行けば苦労することは間違いない。言葉も分からず暮らしていけるか。その中でサッカーにも打ち込まなければならない。当然ながら、そんな環境に飛び込めばネガティブな感情が出てくる。


不安、迷い、恐怖、苛立ち、孤独。


この不快感をどうコントロールしていくか?


ただどんなことが起きても今の自分なら前を向いて歩いていける。成長に繋げられる。そこに関しては自分を信頼することができた。



苦しみが大きければ大きいほど自分は成長できる。



ドイツに来た理由は

「日本を出たくなかったから日本を出た」

この恐怖の先に自分を成長させる何かがあると感じている。


とか書きながらも早くも日本に帰りたいのが本音。行きの飛行機から帰りたかった(笑)



でもほんの少しの勇気を持てたおかげでもうこっちに来てしまった。簡単には帰れない。


ならば自分にとって不都合でストレスがかかるところで少し踏ん張ってみようと思う。

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