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れんたろう
2023年3月19日 23:28
いつの間にかその旅は始まっていて、気がつけば 僕は歩いていた。旅の途中、訳も分からずいろんな荷物を持たされた。僕にしか価値がわからないような石ころや花を拾った。荷物はとにかく邪魔だったから途中で捨てた。誰かにゴミだと言われても、石ころや花を拾い続けた。どっちがほんとに必要かはわかっていた。いや、ほんとはなんにもわかっていなかった。少し歩くと気の合う旅人に出会った。少し歩くと別れ道が
2023年3月5日 23:27
緊張か不安か。震えた手で書いた一通の手紙は、淡く苦い青春の象徴だ。中学一年生のあの日。それは唐突に……衝動的に。買ったばかりのシャーペンと便箋を机の上に置き、軽く息を吐いた。何度書き直したかは覚えていない。殴り書きの文章。ただこみ上げる想いを不器用に綴った。今となっては、この世から消してほしい代物だ。冷たい風が吹き抜けた夕暮れの土手。あの人の文字は相手を傷つけまいというあ