神秘的な奄美の世界に魅了されて🍋 | 田中一村展 奄美の光 魂の絵画 Tanaka Isson: Light and Soul (東京都美術館)
今回は、9月19日から東京都美術館で開催されている「田中一村展 奄美の光 魂の絵画 Tanaka Isson: Light and Soul」についてご紹介します。
田中一村
栃木町(現在の栃木市)に生まれた田中一村。彫刻師の父から米邨(べいそん)の画号を与えられ、幼年期から卓越した画才を示し、神童と称されました。
一村は中国の南宗画を日本的に解釈した絵画、南画を得意としました。
略年表
1908年 栃木県下都賀郡栃木町に6人兄弟の長男として生まれる
1914年 東京に転居
1915年 父から「米邨」の号を与えられる
1926年 東京美術学校日本画科に入学
同年6月に退学
1927年 弟芳雄が逝去
1928年 弟実、母セイが逝去
1935年 父彌吉、弟明が逝去
この頃から千葉市千葉寺に通う
1947年 「柳一村」の名に改め、青龍展に《白い花》を出品し入選
1958年 奄美大島へ
1977年 心不全より逝去
きっかけ
生涯に一度も個展などの形で作品を発表することなく、無名のまま奄美で没した一村。なぜ多くの人に知られるようになったのでしょうか?
それは三回忌に奄美の人たちの手で行われた展覧会を地元メディアが報じたところからでした。
4年後の1984年にNHK教育テレビ「日曜美術館」が取り上げ、全国放送されるや大反響となり、評伝や画集がなん度も編まれ、全国を通算45カ所もの三次にわたるメディアによる巡回展や、九州や栃木での15回近くの単独展が開催され、2001年には鹿児島県が主要な作品を収集して、奄美パーク田中一村記念美術館を開館しました。
見どころ
CHECK POINT 1 最大規模の回顧展!
絵画作品を中心に、スケッチ・工芸品・資料を含めた250件を超える作品で一村の全貌に迫ります。
CHECK POINT 2 一村ゆかりの地、上野での展覧会がついに実現!
現在の東京藝術大学に東山魁夷等と同級で入学したものの、2ヶ月で退学。その後は独学で自らの絵を模索した一村。
「最後は東京で個展を開いて、絵の決着をつけたい」と述べたその機会が訪れます。
CHECK POINT 3 奄美の文化や自然を体感!
展示空間の中で一村が魅了された奄美の自然を高精細映像で紹介。会期中に奄美の文化を紹介する関連イベントも!
展覧会について
第1章 若き南画家の活躍 東京時代
5歳で東京に移った一村は彫刻師の父から書画を学び、米邨の号を受けます。
なんと数え「八童」「八歳」と署名した絵が最も早く、数点残されています!
20歳になるまでに米邨自身の個性がはっきりと表れ、完成度が高まっていくのがわかります。
第2章 千葉時代
三人の弟と両親を亡くした一村は30歳の時、親戚を頼り千葉市千葉寺へ移りました。畑で農作業をしながらも絵で生きる暮らしが貫かれました。身近な小景画、デザイン的な仕事や木彫、仏画、節句掛や季節の掛物などからは展覧会の出品作とは違う、画家の生業というものが具体的に伝わってきます。
また昭和22年には「柳一村」と画号を改め、川端龍子主宰の青龍展に《白い花》を出展し初入選します。
第3章 己の道 奄美へ
50歳の一村は単身奄美大島の名瀬市に移ります。積極的に取材や人々と交流しましたが、金銭的な理由もあり一時千葉へ帰ります。
再度不退転の決意で奄美へ戻り、工場で働きながら制作費を蓄えます。そして5年間勤めた工場をやめて3年間、制作に没頭します。
この間に《アダンの海辺》をはじめとして奄美に於ける主要な作品の多くが描かれたとみられます。
Writer's Message
個人的に奄美大島は昔からずっと訪れてみたい場所…🌴そんな奄美大島にもっと前から魅力を感じ、作品として後世に残した田中一村がどんな人物だったのか、彼の目に映る奄美大島はどんなものだったのか、じっくりと堪能することができる展覧会です‼️(藤橋詩織)
詳細 / アクセス
【 展覧会名 】
田中一村展 奄美の光 魂の絵画 Tanaka Isson: Light and Soul
【 美術館名 】
東京都美術館 企画展示室
【 開催期間 】
2024年9月19日(木) – 12月1日 (日)
【 開館時間 】
9:30 – 17:30
※金曜日は9:30-20:00
【 休館日 】
月曜日、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)
※ただし、9月23日(月・休)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開室
【 アクセス 】
JR [上野駅] 公園改札 徒歩7分
東京メトロ銀座線・日比谷線 [上野駅] 7番出口 徒歩10分
京成電鉄 [京成上野駅] 徒歩10分
画像提供:東京都美術館
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