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ロココ美術を学ぶ✍🏼まるで謎解き?!奥深く華やかな、淡い色彩の世界🫧

こんにちは!CREATIVEチームの ayumi です🎀

今回は団体内で定期的に行っている勉強会のレポート記事です
テーマは『好きな美術作品』✨ 私の好きな作品を2点紹介します〜
最後まで読んでいただけると嬉しいです🌼

▶︎ ロココ美術

最初に紹介する2作品は、1700年の初期ごろからフランス革命前まで続いた美術様式<ロココ美術>を代表する作品です。
ロココ美術とは何なのか!については、下の勉強会用に作成したスライドにて紹介させていただきます⭐️

筆者作成

作品紹介 ① アモルの標的

フランソワ・ブーシェ《アモルの標的》1758年 油彩/カンヴァス
268x167cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Gérard Blot / distributed by AMF-DNPartcom

画家 フランソワ・ブーシェ

フランソワ・ブーシェ

画家のフランソワ・ブーシェはパリ生まれの画家で、当時のパリのアート界を牽引していたパトロンのポンパドゥール夫人から仕事を受けていたことでも知られています!また、フランソワ・ブーシェはルーベンスなどの芸術家から影響を受け、初期の作品では牧歌的な自然や風景の描写を好んでいました🌿しかし、彼の作品は徐々に伝統的な田舎風な純真さを失い、情熱的で親密なスタイルに傾倒していきます。とくに神話を題材にした作品を描くときは、エロティシズムを含む親密な情景が特徴的です🫧

テーマとモチーフ

今回の『アモルの標的』は、神話の場面がフランソワ・ブーシェによって情熱的に表現されており、まさに「愛」をテーマにしています❤️

作品の中には、4人のアモル(キューピッド)が登場します。そして、アモルのシンボルと言えば、弓矢!実はアモルは金と鉛の2種類の矢を持っていて、それぞれの異なる性質を持っています。金の矢で傷つけられた人は、<最初に目にした人に制御不能の恋心>を、そして、鉛の矢で傷つけられた人は<相手からとにかく逃げたいという真逆の感情>を抱いてしまうそうです。

この作品では、アモルたちが矢の刺さった的を掲げて愛の誕生を讃えています。地上にいるアモルたちは、矢を燃やし、真実の愛は一度しか与えられないことを示しているといいます!♥️
よく見てみると、的にはたくさんの外れた弓矢跡があり、本物の愛を手にすることの難しさを描いているのかも知れません・・!!

色彩の特徴

そして、フランソワ・ブーシェの描く『アモルの標的』の特徴といえば、ロココ様式を代表するような優しく繊細な色遣いが挙げられます 🫧

天使のそばには色とりどりの花が咲き、甘く優美な「愛」の様相を見る人に伝えています。
神話という古典的な題材をエロティシズムの中に精巧に落とし込む表現は、フランソワ・ブーシェの真骨頂です。
ピンクで可愛いから好き!と選んだ作品でしたが、絵に込められた意味に注目してみると違った見え方ができて、違った印象を受けます!

作品紹介 ② ブランコ

ジャン=オノレ・フラゴナール《ぶらんこ》 1767年頃
ウォレス・コレクション、ロンドン

画家 ジャン=オノレ・フラゴナール

ジャン=オノレ・フラゴナール

作者のジャン=オノレ・フラゴナールはフランスの南部に位置する、プロヴァンス地方出身の画家🇫🇷フラゴナールは、甘美で官能的な世界を描くロココ美術最後の画家と言われ、盛期から末期にかけて活躍しました。
歴史画を描き、模範生のような絵描きの道を進んでいたフラゴナールですが、ロココ美術を描きはじめてからは上流階級の人びとから個人的に注文を受けて作品を制作していきます。明るく陽気な性格に加え、彼の持つユーモア感覚や確かなセンスによって人気を博しました!

テーマとモチーフ

この<ブランコ>という作品は、サン=ジュリアン男爵という官僚によって依頼された作品です。しかし、その発注内容がかなり衝撃的です・・!
『 自分の愛人をブランコに乗せて、、そしてぶらんこを揺らすのは司祭で・・私(依頼主)は下から愛人の足を覗いている感じで・・ 』と下心満載でお願いしたそうです。別の作者には、こんなハレンチな絵は描けないと断られてしまったそうですが、最終的にはこのような絵が得意だったフラゴナールに依頼したそうです。主題が下品でも優雅に見せることができるのが
フラゴナールでした。


次は絵の細部に注目して、この作品を深掘りしていきましょう!!🔎

1.絵の左にある天使の石像🪨

筆者作成

天使が唇に指を当てて「内緒のポーズ」をしているのがわかります。この作品に描かれている秘密の関係を表現しているそうです・・!!

2.舞い上がるドレスの中を見ている男性

筆者作成

なんと!男性はこの絵の依頼者のサン=ジュリアン男爵です。
何しろ見ているのはスカートの中。
さらに当時は下着をつけないのが主流だったそう・・・!
そして、男性の赤く染めた男性の表情にもフラゴナールが細部に散りばめたユーモアが感じ取れます。凄すぎてゾッとしてきます・・・( °o°)⚡︎

3.ブランコのロープを引っ張る男性

そして何も知らないブランコを押している老男はなんと女性の夫
愛人は茂みに隠れ、2人だけの秘密…。
この当時は、貴族やお金持ちの娘は、かなり年上の相手へと嫁ぐことが普通だったため、夫婦の間に愛はほぼなく、結婚は、男児を生む契約をしているようなものでした。そのため、フランスでは、跡継ぎを産んで責任を果たした後なら、別の相手と恋をしてもいいという暗黙の了解があったそうです。なので、この夫も2人の関係に気がついていたのかも知れません・・・😳

4.ブランコをこぐ女性

ピンクのシルクのドレスに身を包んだ彼女は、男爵の愛人
スカートの中を見せるようにドレスを蹴り上げています。

そしてさらに、彼女の履いているミュールの靴にも注目してみましょう!🩰

筆者作成

履きやすく脱ぎやすいこの靴には、ひと時の恋愛を楽しむという思惑が表れているといわれています✉️そしてその反動でピンクのミュールが飛んでいっている様子が描かれているのですが、飛ぶ靴は、性の解放や興奮を意味しているそうです。現代の私たちから見ると、「なんだ!この絵はッ!?」と驚きのテーマですが、当時の人々にはこの絵は何が描いてあるのかすぐに推測がつき、謎解きのように絵を見て楽しむような時代だったそうです!何とも驚きです💡

▶ まとめ

いかがだったでしょうか!
今回は好きな2作品を紹介してみました!👩🏼‍💻✨

どちらも色合いや雰囲気が好きで可愛い!と思って選んだ絵画だったのですが、ひとつ一つ描かれているものを見ていくと、こんなにも思い描いていた印象とは違うのかと、何度も驚かされました・・😳
私も調べながら、新しい美術の魅力にハマってしまいました!もうすぐ夏や休みが終わり、大学は始まりますが引き続きもっと色んな美術作品を調べてみたいと思います📝🍉!
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました💖

next…
<鑑賞レポート:TORIO展>
お楽しみに!

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