過保護とはどの程度まで言うのか問題

朝から夫と大喧嘩をした。

次男が今日は部活に行かない。と言うのである。
理由を聞いても行きたくないの一点張り。こちらも朝早く起きてごはんを作っているので、イラっとする。
ADHDの特性を持つ次男は気分のムラが激しい。でも彼の中では必ず理由がある。疲れたからとかなんとなくとかではないのはわかる。
夫は今まで甘やかし過ぎた。過保護だったから、行かないのではないか。と言うのだ。確かに、中学校2年生になってもわたしが夏休みの宿題を手伝ったり、授業の課題への声掛けをしたりしている。

だとしても、これにはさすがのわたしもカチンと来た。
今まで、通級に一緒に行ったり、精神科に行ったり、特性を持つママ友と情報交換したり、本読んだり、学校の先生と密に連絡を取り合ったり、できる限りの努力はしてきたはずだ。
それなのに、まるでしつけがなってない。とばかりにわたしを責めるのはひど過ぎるのではないか。しかも一番近くでその苦労を見てきた筈の夫に。

ちなみに、発達障害の子をもつ親に「しつけのせい」と言うのは禁句である。「しつけのせい」ではなく、「特性のせい」だからだ。それで親を責めると必要以上に自分を責めて心が病んでしまう可能性がある。

わたし達が次男の事で怒鳴りあって揉めているのが聞こえていたようで、次男が「俺のせいで。」「俺がいなければ。」「死んでしまいたい。」と言い始めた。
これはまずい。と思い、じっくり話しを聞くことにした。

部活の友達に「ずっと喋っていてキモい」と言われたことがあるらしい。それはまさしくADHDの衝動性からくるものだから仕方ないことだけど、友達には気味悪く感じるのだろうか。だから、自分が行っても周りは迷惑だと思うのだと言う。
繊細すぎる彼は友達にちょっと嫌な事を言われるとすぐに傷ついてしまう。また、言われたことをフラッシュバックで思い出すのだ。そういった話しを聞かされる度に切なくなる。
「誰も俺が部活に来ることを望んでいない。」
仲の良い子も優しい子もいるみたいだから必ずしもそうではないだろうけど、ネガティヴ思考に陥っている次男を引っ張り上げるのは難しい。
悲しみでいっぱいの彼にかける言葉も見つからない。

手を出し過ぎると成長の機会を奪ってしまうことになる。でも手を離しすぎると、みんなには当たり前にできることが、当たり前にできない次男は困ってしまう。困ると身動きできなくなり、自暴自棄になっていく。
加減がすごく難しい。そこに性格も合わさってくるから、これは特性なのか性格なのか、いつも夫と悩みまくるのだ。注意するべきかしないべきか。
いくら本を読んでも、人から話しを聞いても、人によって特性の割合も個性も違うから参考になる時もあればならない時もある。
つまり、次男のトリセツはわたし達で作っていかなければならないのだ。

夫に、さっきの言葉は傷ついた。とLINEをしたら、すぐに謝ってくれた。イライラしていた。と。こんなに熱くなるのはお互いに次男の事を大切に思っているからに他ならない。
わたし達の思いは次男はよく理解しているはずだ。気を遣っているところもあるだろう。何とか期待に応えたい気持ちもたくさんあるのもわかる。

わたしだけは、家族だけには、いつでも甘えていてほしい。逃げ場がなくなったら次男は壊れてしまう。だから、つい過保護になってしまう。甘やかしてしまう。
難しい。葛藤の毎日だ。

彼は毎日休まず学校に行って戦ってくる。当たり前にできないことを何とか克服しながら。嫌なことを言われてもスルーする技術を磨きながら。

いつか社会で自立して生きていけるように少しずつ手を離して行かなければいけないとは思う。心だけは離さないようにして、必ずいつでも味方だよ。って伝えながら。

こうすれば大正解!なんて答えはどこにもないだろう。自分だって模索しながら生きてきて、つまずいてしまったし。
でも考え続けることをやめてはいけない。いつも次男のために何ができるのか模索し続けることが未来に繋がっていると信じている。

わたし達の思いを汲んでか、結局、部活を休んだ次男は朝から大嫌いな勉強をしていた。
少しずつ成長している。
過保護の加減を探りながら、これからも彼を見守り続ける。
きっといつか次男が心から楽しい。と言える生活を送ることが出来るように、支えていこう。


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