観葉植物を育てるのは子育てと似ている
一番初めに観葉植物を購入したのはオンラインショップだった。
それまで観葉植物を育てたことはなかったが、うつ病になり、突然グリーンが見たくなったのだ。毎日眺めて癒されたい気持ちが湧いてきてたまらない。一度そう思ったらいてもたってもいられなくなった。
その頃は外出もままならないほど弱っていたので、ネットで見て2点購入した。
配送が届くと胸が躍った。家に緑があるだけで、その場が浄化された気がした。やっぱりお迎えして良かった。しばらくうっとりしながら眺めていた。
さて、どうやって育てるのだろう。
急に不安になった。今までグリーンなど育てたことはない。一度サボテンを購入したことはあったが、あっけなく枯らしてしまった。
その時、サボテンって枯れるんだ…となんとなく枯れないイメージだったから、ショックを受けた。
今度は絶対に枯らしたくない!
購入した時に書いてあった育て方の説明書を何度も読む。そもそも水やりのタイミングって?中の土が渇いたらって?水はあげすぎても、あげなさすぎても枯れるらしい。難しい。タイミング難しすぎる。
割り箸を使って土の中が湿っているかどうか調べることが出来ると書いてあった。割り箸、めっちゃ必要じゃん。これからお弁当買う時は割り箸必ずもらおう。
何日かして、割り箸を土の中に恐る恐る刺してみる。割り箸が湿っていれば、まだ水やりの必要なし。渇いていれば水やりのタイミング。
割り箸を引き上げてみると…土がついている。その土が渇いているのか湿っているのか見分けがつかない!土は絶対つくよね?それが渇いてるってどうやってわかるの?
わからない。全然わからない。
っていうか、この葉っぱ黄色くなってるけど、枯れてるの?切った方がいいの?ぎゃー誰か教えて!
購入したショップでは、LINEでわからないことを相談できるシステムになっていた。
早速、LINEで写真を送り、黄色くなった葉っぱの処理、水やりのこと、置き場所など矢継ぎ早に相談した。
オンラインショップの方は丁寧にその都度、相談に乗ってくれて安心させてくれた。まるで新米ママを励ますように。
そういえば、子供が産まれたての頃、子育てのことがよくわからなくて、本を読んだり、子育ての先輩の姉に聞いたり、予防接種の時に先生に聞きまくったことを思いだした。
あの頃に似ている。
わたしは学習しないのだな。声を発するわけでも、動くわけでもない観葉植物に、こんなに慌てふためいている。
観葉植物に慌てふためいているわたしって異常なのだろうか。みんな優雅に育ててるイメージだったけど。
それからはLINEで相談したり、ネットを見たりした。毎日熱心に観葉植物を観察した。新しい葉が出てくると歓喜した。育て方、間違えてなかった!成長してる!と。
あれから3年。
今や慣れたもので、割り箸なんて使わなくてもなんとなく水やりのタイミングがわかるし、植え替えのタイミングもわかるようになった。観葉植物達はどんどん育って、ジャングルのようになっている。枯れた葉があれば取り除き、また新しい葉が生えてきているのを確認する。
なんであんなに慌ててたんだろう。ちゃんと見ていればわかるのに。手をかけすぎず、でも毎日葉水は欠かさず霧吹きでかける。もう余裕だ。
子育てと同じ。つかず離れずの距離感が大事なのだ。思春期の子供達はもちろん観葉植物のように一筋縄ではいかないが。
観葉植物を買いすぎて、ジャングルになっているけどまだまだ欲しくなる。さすがにこれ以上増えると手がかかり時間が足りなくなると思いつつも、お店で見かけるとつい足を止めて迷ってしまう。観葉植物は何個あってもいい。
子育てはそうはいかないけれど、観葉植物ならもうお手のものだ。
次はシンボルツリーになるような大きな観葉植物が欲しいなと考えている。