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推しのいる日々その25ー「100日後に溶けて消えるシュッキー」のこと

 推しが休暇中の今、最近の楽しみは「100日後に溶けて消えるシュッキー」という四コママンガを読むことだったりする。SHOOKYは推しが所属するK-POPアイドルグループのメンバーSさんがデザインしたキャラクターだ。

 SHOOKYの読み方はシュッキーなのかシュキなのかシューキーなのか異論はあるところだが、アンパンに顔が描いてあって手足が生えているような単純な造形のキャラ、性格は「悪戯っ子」と設定されているらしい。

 推しの所属する事務所は商売がとても上手いので、グループのメンバーがそれぞれがデザインしたキャラクターの様々なグッズを販売している。ぬいぐるみもあれば、ステーショナリーや、キャラのデザインされたアパレル製品、LINEのスタンプなんかもある。うちの近所のイトーヨーカドーでもこれらキャラクターグッズを売っているのを見かけたことがあるくらいだから多分世界中のファンに売りまくってるんだろう。

 私の推しであるK君☆も馬?の顔をしたMxxxというキャラクターをデザインしたはずだ。ピンクのお鼻がハート型、という以外はとくにK君☆を感じさせるものはないので、私はまだMxxxのグッズを購入したことはない。そもそもグッズは買わない主義だし。

 話がそれてしまった。「100日後に溶けて消えるシュッキー」の話に戻そう。

 「100日後に溶けて消えるシュッキー」はSさんのファンの方がTwitter上で連載している四コママンガで、公式のコンテンツではない。ファンアートの一種とでも言ったらいいのだろうか。「100日後に・・・」と言うからには例のワニのパロディーなんだろう。

 元気でSさん思いのシュッキー(SHOOKY)がなんとかSさんの役に立ちたい、Sさんを喜ばせたいと奮闘するけれど失敗ばかり。でもくじけずに頑張るという他愛のない内容だが、表情豊かなシュッキーはなかなかキャラとして魅力があるし、毎回のようにグループのメンバーの誰かが登場してシュッキーと絡む。ファンの方の作品だから、メンバーの似顔絵や性格もご本人に寄せていて同じファンにとってはこたえられない。

 主人公であるシュッキーはSさんにサプライズの誕生日プレゼントを贈るという目標のために、メンバーたちの間で様々なお小遣い稼ぎのアルバイトをしている。見事な手際でメンバーを驚かせることがあるかと思うと、調子のいいことを言ってメンバーに諌められることもある。悪戯っ子という設定がちゃんと活かされているのがいいし、ファンならすぐに気づく小ネタが色々仕込まれているのも嬉しい。

 最近評判が上がって本国韓国や中国でもファンの皆さんに人気らしく、マンガの吹き出しが韓国語、中国語に翻訳されたバージョンもTwitterで見かけた。そりゃこれはどこの国でもウケるよ。見事にファンのツボを突いているもの。

 その一方、事務所が売ろうとしているマンガはメンバーをキャラクターのモデルに使ったWebToon(スマホで読むためのマンガの形式)として配信されている。異世界からやってきて人間を襲う異形の化物(虎)を退治する青年たちが主人公の物語なのだが、青年たちはそれぞれに心に深い傷を持った訳ありの人々らしい。

 メンバーを使った実写映像のティザー広告をたくさん流していて、期待感を高めてはいるもののお話の内容が陰惨で暗い。しかも日本のマンガとは文法が違うようで絵柄でキャラクターの判別がしにくい。

 登場人物の一人を推しに見立てることができればそれはそれで楽しめるのかもしれない。が、私の推しK君☆がモデルになっているキャラは人間側だがどうやら異形の存在であるらしい。そんなのイヤだし(現実の彼は大変美しく見た目に気を使う人なのだ)私は寅年生まれでK君☆に殺される虎のお仲間であるからかなり不本意だ。

 メンバーをモデルに使うならもうちょっと明るい話にすればいいのに。暗い話は現実だけで十分、もうおなかいっぱいだ。

 だが「100日後に溶けて消えるシュッキー」の方なら脳天気に読んでいられるかというとそうでもない。先日ついに50回を突破して物語は後半戦に入った。ワニは交通事故で死んだけれどお茶目で健気なシュッキーにはこの先何が待っているのか。50日後というとSさんがお誕生日を迎える頃じゃないか、とみんな薄々気づいている。結末はやはり涙、涙になるのだろうか。ちょっと怖い。

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