茨城県立歴史館でやっている、「なぜ恋してしまうのか?展」へ。歴史館でこんな都会っぽい展示やるんだ〜!という興味で向かうと、想像の数倍のお客さんが来ていた。時代を超えて恋愛をしてきている人間というものに思いを馳せた。過去の恋愛、現在の恋愛、そして100年後の恋愛…意外だったのは、明治時代に起こった文明開化によって、日本人の恋愛観が根本から揺るがされたこと。展示されていたキャプションを以下に引用する。
過去の日本では、恋愛は結婚までの遊戯のようなものだったこと、だから現代よりも寧ろもっと垣根なく自由だったこと。そして恋愛感情とは別のところに結婚をする理由があり、その理由がお家を継いでいくことで安定した幸せが掴める、ということだったこと。そして、このようなこれまでの認識とは全く違うものが流入し、天皇陛下のテニスコートの恋愛結婚もその流れを後押しし、少しずつ恋愛結婚が主流になってきたこと。しかし現代はどうだろうか?結婚しなくても自分の幸せは掴むことができるのだ。こうしてまた、日本人の恋愛観は少しずつ変化していくのだと思う。というか、恋愛観は流動的なものなんだと、この展示を見て知ることができた。人類の長い歴史の中で、目の前の、自分が生きている今現在の時代のことにばかり頭がとらわれていた気がする。
そして100年後。未来の恋愛がどのように変化しているのか。それを題材に6人の著名人によるエッセイ展示されていた。その中で印象に残ったものを以下に引用する。
読みながらぼろぼろ泣いた。まさに今の私が探している答えがここにあった。相手の気持ちが分からず、自分の気持ちが伝わらず、悶々とする。二人で話し合うたびに、少なからず辛い気持ちになる。しかしこういう風に悩むことこそが恋愛なのだと力強く肩を叩かれた気分になった。そういうことにひとつひとつ丁寧に向き合っていこう。逃げないで向き合っていこう。そしてそれを真剣に一緒にやってくれる人こそが、私にとっての恋人だと確信した。
普段あまり考えなかった恋愛のこと。恋愛の歴史についても、多少の知識はありつつも体系的に捉えて考えてみようと思ったことはなかった気がする。恋愛の歴史について振り返ってみることで、自分の恋愛を見つめ直すことができた。相手と自分を丸ごと大事にしていこう。ずっとずっと、恋愛していたい。
恋人がいる人はぜひ恋人と、行ってほしいな。
※この展示は一部を除いてsns掲載可となっています。