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「だけど日々の何気ない瞬間や、どこか楽な方へと流されてしまいそうなとき、その人に恥じない選択をし続ける事ならできる。そうすることで築いていく未来になら、確かに存在を感じられるよね。」
大切なのは全てを覚えていることじゃなく、指針の一つにして未来を描くこと。
一年後も、そう在る。
奇跡なんて起こらないことを嫌というほど思い知らされ それでも希望を捨てられない自分に何度も裏切られるうちに 気付けば奇跡の純度がぐんと上がっていて 点と点が結びつくことの尊さに 涙脆くなったと思うなど
いつか忘れてしまっても
「記憶って忘れないようにと反芻するだけじゃ薄れていくけど、行動することで色濃くなっていくのかもしれないね」
頭上から照りつける日差しが西へと傾き始めてまもなくの頃だった。でこぼこの石段を一つ一つ踏みしめるように歩きながら彼女が呟く。
目深にさした日傘のせいで少しも表情は見えなかった。首筋を流れる汗の滴だけがじんわりと熱を感じさせて、私はできるだけ同じトーンで「行動」と繰り返す。
「うん、その
秋のような恋の終わり
『忘れたい』と切に願っていたことが『忘れたくない』という祈りに変わったとき、それは記憶から思い出にそっと形を変えるのかもしれない、と思う。
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「別れた恋人の幸せなんて願えなくて当然。だって私が幸せにしたかったし、一緒に幸せになりたかった。好きになるって、そういうことでしょう」
真っ赤に色付いた紅葉を背に、ふっくらと丸みを帯びたどら焼きを手にとって彼女は言う。
「惜しいことしたって、いつか
「無駄なこと」ばかりが人生なのかもしれない。
「美味しい」と「好き」は時に別物だなぁ、と思う。
世の中には美味しいものが沢山、沢山あって、情報過多な時代のおかげで出逢いまでのハードルはグンと容易くなった。
けれど反比例するように「また食べたい」と切望することは少なく、それは枕詞に「高級」「限定」「希少」がついたところで容易には叶わないから恋みたい、などと思う。
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『忘却のサチコ』というドラマがある。
(下記は少し前に放送されたスペシ