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「療育整体―勝手に発達する身体を育てよう!」読了 「発達障害」と言われたら・・・

1.「療育整体―勝手に発達する身体を育てよう!」

20年以上も発達障害をテーマに書籍を作っている花風社[1]から、私も学んだ「療育整体」の書籍、「療育整体―勝手に発達する身体を育てよう―」[2]が出版されました。

キーワードは血行と姿勢です。

著者である松島眞一先生は、ご自身のお子さんが3歳健診で「発達障害の診断を受け、薬を勧められら」れ、「診断名が心に刺さ」ってしまい、「副作用の多い薬をのませたくなくて、他に方法がないかと試行錯誤し」て、お子さんを治してきた方です[2]。

この書籍は、QRコードで松島先生の施術が見られるので、講座を受けていなくても、施術の実演が見られる構成になっているところがとてもいいです。表紙のカバーを外すと舌診の絵が出てきます。自分の舌の状態が当てはまれば、血流の良し悪しや、貧血など体の調子が分かります🥰

松島先生のお子さんはクリニックでどのように発達障害の診断をされ、松島先生はどのような疑問を持ったのか。

また、「仕事だから」とか「法律とマニュアルに沿っているだけ」というクリニックの医師の本音のお話も含め、松島先生が、どのような経緯で療育整体を編み出したのかが書かれています。

もしかしたら、クリニックで似たような体験をされた方もいらっしゃるかもしれませんね。

ちなみに、文部科学省(2022年12月13日)「学習面又は行動面で著しい困難を示す小中学生は学級に8.8%(11人に一人程度)との調査結果[3]を発表しています。平成 24 年(2012年)の時点では6.5%でしたが、2023年には8.8%と10年で増加傾向にあるということです。[3]

2.発達障害は神経発達症

書籍では、世界の「発達障害」のスタンダードは「神経発達症」なのに、なぜ日本だけは、いつまでも「一生治らない脳機能障害」とされているのかについても触れられています。

「なんでも脳の問題にしたがるけれど、ちょっと脚の調節するだけで立てちゃうんですよ。発達するのは身体なのに、なぜすぐ脳の問題にするのだろう。」と松島先生も疑問を呈しています。[2]
世界の情報が入ってきにくいことや、トイレのウォシュレット機能やガラパゴス携帯のように、世界標準とは異なる日本特有の進化を遂げる(何でもガラパゴス化しやすい)のが、島国日本の特徴とも言えそうです。
そして、日本人には変化やパラダイムシフトが苦手な人が多いのかもしれません。

心理学は、欧米から遅れること30年ほどで日本にやってきて盛んになったと聞いたことがあります。情報社会になっても、第3の潮流と言われたポジティブ心理学は10年近く遅れて日本で翻訳本が出たり、浸透し始めたのですよね。
このような経緯からみると、欧米並みに、発達障害が神経発達症になるまで、あと何年かかるのでしょうか。
そんなの待っていたら、子ども達は、皆大人になってしまう💦
その間にできることがあるなら、子どもが楽になるのなら、やってみて損はない。

昔から剣道、柔道、武道、書道、華道、茶道、など「道」で体や心を整えてきた日本人には、日本人に合った体や心を整える方法があってもいいはずですよね。

松島先生は、発達と障害を分けて考えるようにしたそうです。
子ども達には、「しないでいい苦労はしてほしくない」し、「さっさと治ってほしい」と考えているから、療育整体を行っているのだそうです。
そして、親御さんには療育整体を「お子さんの育ちに活用して、『お薬は、は要りません』と言えるための最強のツールにしてほしい」と述べています。[2]

3.誰が治すのか

花風社の浅見さんは、「医者より親の方が治す力がある」[2]と書いています。

実際、松島先生は、お父さんとしてお子さんに「副作用の多い薬をのませたくなくて、他に方法がないかと試行錯誤し」て治してこられ、まさに医者より親の方が治す力があることを体現されました。

これは、難病のお子さんが1歳のときに、主治医の先生に「僕たち医師には思いつかないことをお母さんが思いつくことがあるので,いいかな,いいかもしれないと思うことはぜひやってみて下さい。」と言われたという、いはやゆうこさん[4]のお話とも重なります。
いはやさんは様々なことを試し、分子栄養学の栄養療法を試し始めたところ、とある栄養素で息子さんの体に劇的な変化があったそうで、難病のお子さんを持ったお母さんとして栄養の重要性を発信しています。
いはやさんは、良いと言われることは何でも試してみたそうです。そして、息子さんは成人を超えてお元気とのことです[4]。
親が治すということは、こういうことなのでしょうね

Instagramで発信されているtoshikiさん[5]は大学時代、転落事故で頭骸骨が半部に割れ、脳に無数の傷を負い3か月間意識不明の重体になり、5年間尋常ではない努力をし続け、現在走れるようにまでなっている方です。

toshikiさんは医師から「一生意識戻らない」「一生歩けない」「諦めろ」と言われ続けてきたそうです。「退院後も『一生歩けない』と言われ続け」、「それでも努力を続けていると」リハビリステーション科の元主治医は「何とかして努力することを諦めさせようとし続けてきた。」そうです。
toshikiさんは「医者の【絶対】には相当な重みがありました。」と書いています。
そして、「”不可能かどうかは人に決めつけられることではありません”」「『一生治らない』『分からない』『うちではこれ以上施しようがない』医療機関はそれですむかもしれないけど、それでも何とかあと少しあと少しだけでも、楽に過ごせる日を目指して、いろいろ試し、努力し、行動し続ける🔥」とも投稿しています。
また、「僕の家族は意識障害について、あまりに情報の無い中、あらゆる文献を読み漁り、ほんの少しでも情報を探していたと言います。」とも書かれています。[5]
toshikiさんも「自分で治す」「家庭で治す」を現在進行形で体現されている方ですね。

4.療育整体

「療育整体」の施術は、きちんと理論に基づいています。そして、実際に松島先生がご自身のお子さんの体を整え、お子さんのお友達たちも整えて、その後高齢者やさまざまな方へも活用している施術です。

浅見さんは「何もかも治さなくてはいけないわけではない。短所は長所の裏返しなので、短所さえ人生を渡っていくには活用できる。」[2]と書いています。
そして、「『治す』ことに脅迫的になってしまうところもある。でも、何でもかんでも治さなくても不便なところだけでも治せるといい」[2]と思ってやってきたとのこと。
その通りですね。何でもかんでも治さなくてもいいけれど、不具合が姿勢や血流で少しでも改善できたら、次のステップや、学習に専念できますね。

この施術は、家庭でお母さんがちゃちゃっとできるところがとてもいいのです。
家庭が子どもの成長、発達の原点だなと思います。
お金がかかりません。時間がかかりません。家庭でできます。薬も不要です。副作用がありません。無理もなく痛くもない。座っていて寝ていてもできます。

昨日も、お勉強をサポートしている小学1年生から4年生が、お勉強を始めたらスッと手を出してきました。
「入力」の施術をしてあげたら、集中して自分のワークを進めていました。
子ども達も、なんだか気持ちがいいと感じているのですね。療育整体。

5.もし「発達障害」と言われたら・・・

「『生まれつき』だから『治らないとは限らない』」[2]と松島さんは示してくれています。
「発達障害と言われた」と相談を受けたら、この書籍を一読されることをお薦めしたいです。
ご家庭でお母さんが簡単にできることがあるからです。ご家庭で発達を促せるかもしれないから。

私が出会ってきた、発達障害や引きこもりの就労支援や地域の居場所に来ていた悲しげな顔の若者達や、発達の凸凹やグレーと言われて不安そうだった小学生達と親御さん達に、発達を促す一つのツールとして教えてあげたかった、施術してあげたかったと思います。
発達過程にある日本の子どもたちが、突破口を見つけて、診断を覆すくらいガンガン発達して欲しいと心から思うのです。
一人でも多くの必要としている人に届きますように🥰

6.98歳への療育整体施術

先日、一人暮らしをしている98歳の大叔母に差し入れを持って会いに行きました。その日は、大叔母のご主人の月命日でした。
仏壇におじさんの好きだった白玉団子をお供えするところだと、休み休み白玉団子を作っている大叔母。
「おばちゃん、偉いね~」と思わず「縦横」の施術をしていた私。
いつも遠慮する大叔母が気もち良さそうに、静かじっーとしていました。そのうち「大丈夫だよ、ありがとう」「泣けちゃうよ」と涙を拭いていました。

マッサージの人が月に何度か来てくれるそうですが、2~3回さすると、あとは自分でやるようにと言われるのだとぽろっとこぼしていました。
背中なんて人に撫でてもらわないと、手が届かないのよね。
そして、人に撫でてもらうと気持ちがいいのですよね。
気持ちがいいと頑なさが溶けて「ありがとう」が容易に出てくるとのことでした。
やっぱり手を当てると愛情が伝わって、オキシトシンが出るよね💛

療育整体は発達障害のお子さんのために編み出された施術だけれど、高齢者にも大人にも非常に有効なのです。
誰にでも使える便利な施術。
セルフで整える方法もあるから、自分でも自分を整えられる。これが嬉しい💛
お母さんにとっても体を整えたり、血流を上げてリラックスすることって大切ですものね。緩んで、癒されてください🥰


参考文献

[1]花風社
https://www.kafusha.com/
[2]「療育整体―勝手に発達する身体を育てよう―」
https://amzn.to/3IxdY7U
[3](2022年12月13日)「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について」
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2022/1421569_00005.htm
[4]いはやゆうこ 「Nourish and Growスタイル―体と心のはぐくみ方―」

[5]toshiki_rehabilitation
https://www.instagram.com/toshiki_rehabilitation/


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