初めての海外と紅茶の思い出
有賀薫さんの「さつまいもとミルクティー」を読んで、私も紅茶の思い出を書きたくなった。初めての記事には勢いが必要だ。紅茶なら書けると思ってnoteに登録した。そして書いた。
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初めて海外に行ったのは18歳のときだった。短期留学プログラムに参加して、ニュージーランドでホームステイをしながら6週間過ごした。
英語だらけの生活は毎日とても楽しかった。バスの運転手さんに”Thanks, driver.”などとお礼を言うことも、銀行でトラベラーズチェックを換金することも、何もかもが新鮮だった。窓口の係の人に”I like your hat.”と言われて、すごく驚いたのも覚えている。
数週間も経つと、日本食が恋しいと言うクラスメートもいたけど、私はとくに白米を食べたいとも思わなかった。でも、飲み物の選択肢が少ないことが不満だった。
日本ではいつでもお茶のペットボトルが手に入るのに、ニュージーランドのコンビニや自販機で売ってるのはコーラなどの炭酸飲料やビビッドな色の甘ったるいジュースばかり。日本の夏休みの時期で向こうは冬だったから、それほど頻繁に(熱中症予防などの観点で)水分摂取が必要なわけではなかったけれど、予想もしてなかった事態に戸惑った。消去法でミネラルウォーターを買うようになった。大学に入るまで田舎町で暮らしてたから、水を買うなんて初めてだった。
朝食はほぼ毎日、ニュージーランド産のはちみつを塗ったトーストを自分で用意した。飲み物は温かい紅茶。当時はコーヒーが飲めなかったので、これも消去法だ。語学学校では、15時になるとみんなでお茶をする休憩時間があった。そのときももちろん紅茶を選んだ。
それまで必ず砂糖やミルクを入れて飲んでいたので、ニュージーランドでもしばらくはそうしていたが、6週間もある留学生活で毎日2杯、たっぷり砂糖を入れて飲んでいたら(しかもハニートーストやチョコチップクッキーと一緒に)、帰国する頃にはどうなってしまうだろう。
そんな危機感を感じて、無糖で紅茶を飲むようになったのだ。なんだ、砂糖がなくても、ミルクを入れなくても、紅茶っておいしいじゃないか。
初めての海外生活を振り返るとき、私はいつも紅茶のことを思い出す。
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