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無意識を意識化し、デザインやビジネスに応用する方法
こんにちは。
アーキテクチャーフォトの後藤です。
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こちらもよろしくお願いいたします!
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今日のnoteでは、とある場所で、コンクリート製のベンチを見つけた際に、自身の中に沸き起こった感覚が、非常に面白かったので、そのことを皆さんと共有してみたいと思います。そして、そこから発展して、デザインやビジネスのヒントになりそうな視点も提供したいと思います。
まず、下の写真が、そのベンチです。
ご覧の通り、中々に年季が入ったベンチです。
このベンチを見かけたときに、私は「正直、あまり座りたくないな」と思ってしまいました。(座面に土なども付いていますし、少々汚れています)
このベンチの背もたれは、写真左側に写っているように、背の低い壁面と連続しています。
こちらの小壁が目に入った時に、私は「ベンチには座りたくないけど、こちらの小壁には腰掛けられるかもしれない」と思いました。
一瞬浮かんだ、自分の中のこの感覚が凄く興味深くて、なぜ自分はこのように思ったのだろうと、しばらく考えていました。
同じ材料を使用してつくられているもので、実際の状態もほぼ同じなのに、なぜ、ベンチには座りたくなく、小壁には座れそうと思ったのかと。
色々と考えを巡らした結果、こういうことかなと思いました。
私は、無意識のうちに、自分の中に存在する平均的なベンチのイメージと、実際にそこにあるコンクリート製のベンチを比較し、目の前のベンチのクオリティを下に見てしまったのではないかと。
逆に、小壁の方は、同じような状態ですが、小壁の状態としては、これは普通で、特段汚れているわけではない、と判断したのではないかと。
これは、私にとって、興味深い気づきでした。
人間は無意識のうちに、目の前のものを、自分の中の常識と比較して判断しているということに、改めて気づかせてくれたからです。
そして、この認知の仕組みは、自身がデザインを行うときにも利用できるかもしれません。
このような認知の仕組みがうまく働いているその他の例がないかな、考えた時に思い浮かんだのは、八天堂のクリームパンです。
ご存じない方はリンク先を見てみてください。私は何度か食べたことがありますが、中にとろけるようなクリームが入っていて、少し冷やして食べると凄く美味しいお菓子です。
この八天堂のクリームパン、実際の触感はケーキやシュークリームと言っていいものだと思っているのですが、クリームパンと言いきっているところがポイントなんだと思います。
以下に考察してみます。
恐らくですが、この商品を、ケーキやシュークリームというような名称で売っていたとしたら、これほどブレイクしていなかったのではと思います。
クリームパンと銘打つことで、人々の中の一般的な100円程度のクリームパンとの比較が発生します。そして、常識的なクリームパンの味覚を大きく上回ることで、「これは美味しい!!」と多くの人が感激している、と推測します。
ケーキと名付けてしまったら、人は過去に食べた様々なケーキと味の比較をするでしょう。ケーキの分野はクリームパンに比べ激戦区ですし、味に対するハードルもかなり高くなることが予想されます。
戦略的な名称の設定によって、食べる人の中に存在する比較対象をうまくコントロールできているのです。それによって、全く同じ商品だったとしても食べた人の認識は全く変わると思われます。
以下には、建築分野において、同様の考え方が適用できそうなアイデアを少し書いてみたいと思います。
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