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勝って高校野球を終われる喜びを噛みしめて(三田松聖高校OB 京田真慶インタビュー)

幼稚園の頃からずっと野球を

――野球を始めたきっかけについて教えてください
 野球を始めたきっかけは、4歳くらいの頃にお父さんに甲子園で行われた阪神タイガースの試合に連れて行ってもらったことです。幼稚園の頃からずっと、空き地にバットとボールを持って行って、友達と野球をやっていました。

――ちなみに、チームに入ったのはいつでしたか?
 小学校4年生の時ですね。当時同じクラスだった友達がいて、その子とは幼稚園に入る前からの友達で、その子から「一緒にやろう」と誘われたことがきっかけでチームに入りました。

――三田松聖高校に入学を決めた理由を教えてください
 高校では絶対に高校野球をすると決めていて、元々は公立高校を志望していました。ただ色々とあって、小学校からお世話になっている先輩がいたということもあり、私立の三田松聖高校に入学を決めました。

異例の夏からランメニュー

――高校時代に掲げていた目標は何でしたか?
 やっぱり甲子園出場という目標はチーム全体で掲げてやっていました。

――甲子園を目標としていた当時の思いなどを教えてください
 自分たちの代が始まる前からチームとして甲子園は目指していたのですが、大会の1,2回戦で負けていたりして自分たちも不甲斐ない思いをしていました。そのため、自分たちの代では絶対に甲子園に行こうという気持ちを強く持って、一人一人が練習に取り組んでいました。

――当時の練習で印象に残っているエピソードなどはありますか?
 2年生の夏休みに入る前に先輩方が負けてしまって、新チームの指導が早かったです。基本的に走りのメニューは冬なのですが、夏からランメニューが入っていて、文句もありながらでしたが、皆と切磋琢磨し合いながらやっていました。

――夏場のランメニューは大変だったかと思いますが、そんな中でチームメイトと掛け合った言葉などはありましたか?
 やると決めたらやるという人がほぼ全員なので、そうなったときは皆で励ましながら、声を掛け合いながら走っていました。今思えばそれはいい思い出だったし、それがあったからこそ今の自分たちがあると思います。

甲子園中止でどうしたらいいか分からなく……

――甲子園中止の第一報を知った時はどういった感情でしたか?
 練習試合がやっと解禁される1週間くらい前にコロナが流行し始めました。その当時は家から通学している人がほとんどで、自分は自宅にいてたまたまテレビでニュースを見たのですが、頭が真っ白というかこれからどうしたらいいのか分からなくなりました。目標にしていたものが一瞬で消えてしまったので、ショックな気持ちは大きかったです。

――チームメイトとの会話で印象に残っていることはありましたか?
 その時は「甲子園なくなったな」くらいだったのですが、皆地元にいてあまり言葉を交わしていなかったです。会ったときは個人個人がショックだったという様子でした。

下馬評を覆しての勝利

――その後、各都道府県で独自大会開催の動きが進みましたが、大会の開催を聞いたときの心境を教えてください
 終わってしまうものだと思っていたので、そうやって独自大会が始まるという時はやっぱり嬉しいという感情が嬉しかったです。

――兵庫県の独自大会は5回戦打ち切りという他の都道府県とは異なる形式でしたが、そうした点についてはどう感じていましたか?
 まず大会があるということが一番嬉しかったですけれども、やるなら最後までやりたかったという気持ちは少しあります。ただ最後に勝って終われたということを思うと、良かったのかなと思います。

――独自大会計5試合の中で印象に残っている試合はありますか?
 やっぱり最後の試合は印象に残っています。最後の試合の相手が秋の大会でベスト4だったチームで、周りの下馬評とかも相手チームの方が勝つだろうという感じでした。そうした相手に勝つことができ、しかもコールドで勝つことができたのが一番です。ただなおさら、最後までやっていたら……という気持ちも大きかったです。

――最後の試合に勝利し、勝って終わることができたその瞬間はどういった心境でしたか?
 最後にああやって勝って終われることができたのが、自分としても人生で初めてだったので、すごく色々な思いがこみ上げてきました。その中でも、勝てて終われてよかったという思いが一番大きかったです。

――試合後のミーティングなどでの監督からのお話で印象に残っている言葉はありますか?
 監督さんはこの新チームが始まった時から自分たちに期待してくださって、自分たちも結果を残さないとと思っていました。最後に「ついてきてくれてありがとう」という言葉をいただいて、やってきてよかったということを全員が思っていましたし、3年間めげずに最後までやり続けてよかったということをそこで感じました。

今持っているものを発揮して

――この「あの夏を取り戻せ」というプロジェクトについて聞いたときはどう思いましたか?
 甲子園は夢だったので、2年越しとはいえ、もう一度そういう舞台を用意してくださることは率直に嬉しかったです。

――プロジェクトについて当時のチームメイトの皆さんと何かやり取りはありましたか?
 皆すごく嬉しそうで、もう一回このチームでやれるということでやる気が出ていたと思います。

――このプロジェクトでの目標について教えてください
 1回なくなった目標をもう一度目指せるというのと、このチームでもう一回できるということで、勝ち負けも大事ですが、自分たちの今の持っているものを出したいです。そして、高校3年間同じグラウンドで練習してきた仲間ともう一度全力でプレーしたいです。

――最後に応援してくださってる方々へ意気込みをお願いします
 今回このような大会を開いていただいてありがとうございます。高校3年間で頑張ってきた練習や試合の成果をしっかりとここで出して、全身全霊で頑張っていきたいと思います!


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