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『MONDAY MAGIC』season1を全部生観戦した感想を振り返る



はじめに

他の人に向けて、自分のオススメの何かを提示するタイミングが訪れた時に、私自身気を付けている事がある。
「自分の好きな団体や選手であっても、相手の好みによっては薦めない選択肢を取る」という事だ。

例え、自分の好きなもの・オススメしたいものがあったとしても、相手の好みとマッチングするものでなければ一方的な押しつけになってしまうし、何より続かないと私は考えている。


個人的な理想形としては「プロレスコンシェルジュになりたい」という表現が適切だろうか?
仮にもし「色々知りたい」という欲が私にあるのなら、それは他人にマウントしたいからではなく、話の流れで咄嗟に開けられる抽斗を1つでも増やしたいからなのだと思う。
だから、自分の一番好きな団体=人に薦めたい団体には必ずしもならないという感覚がある。


でも、そんな私でも、団体関係なく色んな方にオススメしたい興行がある。
プロレスリング・ノアが2023年に立ち上げたブランド・『MONDAY MAGIC』だ。

2023年2月、武藤敬司引退興行の中盤に組まれたタッグマッチを最後に、現役生活に別れを告げたNOSAWA論外がプロデューサーに就任したNOAHの新ブランド・『MONDAY MAGIC』。

2023年10月~12月にかけて全5大会が開催されたのだが、ブランド名通り月曜開催という条件でも、初回を除く大会が前売り段階で完売する盛況っぷり。


2024年4月より開幕するseason2を前に、season1全5大会の期間限定無料配信が決定するなど、徐々に情報も出てきた『MONDAY MAGIC』。


今回は、本当ならseason1の終わりに書きたかったのだけど、結局書けないままでいた『MONDAY MAGIC』season1の個人的な振り返りと感想について書いていこうと思います。

※文中のEP表記→season1のepisode
(EP1→episode1)


①サプライズの大洪水

『MONDAY MAGIC』の特色を語る上で外せないのが、【カードは大会当日発表】という点だろう。

GHCハードコア王座初代王者決定戦(EP2)や野崎渚復帰戦(EP4)など、事前に告知されたカードはあるものの、基本的に入場曲が流れるまで、出場選手や試合形式、ルール、全体の試合数は全く分からない。



だから、旗揚げ当初からNOAHを支える丸藤正道や杉浦貴よりも、レギュラー参戦しているジェイク・リーの方が『MONDAY MAGIC』に登場する回数は多かったし、今のNOAHの看板選手である拳王がエキシビションマッチに出場することもあった(EP3)

ジェイク・リー率いる『G.L.G.』は、5大会中2大会でメンバーが前説、2大会で大会メインを務めた。
EP1、EP4で大会メインを務めた拳王は、『MONDAY MAGIC』season1の皆勤賞だった。


ただ、【当日カード発表】なのを良いことに、後楽園ホールやビッグマッチで組んでも良いような豪華カードを多数投入してくる思い切りの良さが、間違いなく『MONDAY MAGIC』にはある。

個人的に、season1で起こった主なサプライズをおさらいしていくと、以下の通りになる。

EP1
・GHCハードコア王座創設発表
・TERRY YAKI、LJ・クリアリー初登場
・グレート・マミー(=小島聡)登場

EP2
・GHCハードコア王座決定戦
・グレート・ムタ再臨

EP3
・佐々木憂流迦のエキシビションマッチ
・GHCナショナル王座次期挑戦者決定ランブル
・清宮海斗&大岩陵平&安齊勇馬の3団体ホープ結集

EP4
・野崎渚復帰戦
・HAYATA&ライジングHAYATO、拳王&小島聡の越境タッグ実現
・GHCハードコア王座3WAY

EP5
・外道、箕浦康太、Ben-K参戦
・清宮海斗vs大岩陵平
・season2開催発表


今振り返ってみても、これらの内容の9割方は事前告知無しで大会当日に実現ないし発表されたのだから恐ろしい…。

EP1の『拳王vsグレート・マミー』
EP5で実現した、外道(新日本プロレス)参戦
EP4の拳王&小島聡、略してケンコジ!


②NOAH本編ノーチェックでも楽しい

『MONDAY MAGIC』では、NOAHの本興行には参戦しない選手が登場するなど、ブランドとしての差別化が図られているものの、本編に繋がる展開も確保されている。

人気ユニット『G.L.G.』の一員として活躍するLJ・クリアリーも、NOAH初登場は『MONDAY MAGIC』だった(EP1)。
『MONDAY MAGIC』参戦直後に本興行にも登場したクリアリーは、今ではビッグマッチでシングルを任されるなど評価を確実に高めている。


2024年にNOAHでプロレスデビューを果たした佐々木憂流迦も、『MONDAY MAGIC』で一足先にエキシビションマッチでデビューを果たしている(EP2)。
この時のカードは、2024.1.2有明アリーナ大会で決定していた『拳王vs征矢学』のGHCヘビー級王座戦前哨戦でもあった。
(拳王&佐々木憂流迦vs征矢学&中村大介)


ただ、こうした本興行に繋がる要素がありつつも、前述のGHCヘビー級王座前哨戦でDRAGON GATEのBen-Kや箕浦康太が登場したり(EP4)、GHCナショナル王座次期挑戦者を決めるランブル戦にグレート・マミーが登場したり(EP2)、本興行の流れを追っていなくても1話完結型で観れるのが『MONDAY MAGIC』の魅力だ。


新宿FACEで声援の絶えない、常に盛り上がりが確保される良い雰囲気が『MONDAY MAGIC』にはある。

会場の一体感を語る上で個人的に象徴的な出来事だと感じたのは、EP4で行われたGHCハードコア王座戦だ。
試合中に派手に散乱した石膏ボードなどのゴミを掃除している最中、会場からスタッフに対して声援が飛んだのである。


論外 11・27新宿のGHCハードコア選手権後、リング上が石膏ボードの破片で散らかって、暗転中にそれを片付けてる間、お客さんがみんなでスタッフの動きに合わせて「うぇーい!」とか言って楽しんでたじゃないですか。アレ、すごくいい傾向だなって思いました。


プロデューサーであるNOSAWA論外もインタビューで触れた程のポジティブな雰囲気が、『MONDAY MAGIC』には流れている。

そういう雰囲気は今のNOAHの本興行にもあるけれど、会場が狭くて前述したようなサプライズも多い分、自然と声が出しやすいのだ。

それもまた『MONDAY MAGIC』の魅力であり、魔力でもある。


③驚愕の低料金

『MONDAY MAGIC』を語る上で個人的に外せない、人に薦めやすいと感じているポイントがある。
それは、チケット代の安さだ。

新型コロナウイルス禍以降、各団体の各大会は基本的に安い席でも5,000円が相場になってきた感はあるけれど、『MONDAY MAGIC』に関しては3,000円と4,000円の2席種しかない。
プロレスリング・ノアが新宿FACEで行う通常興行は一番安くて5,000円(他団体も大体そんな感じ)なので、今のプロレス界でも料金設定が異常な安さだという事が分かる。


そんな3,000円ないし4,000円のチケット代で、数々の信じられないサプライズや豪華な組み合わせが見れてしまうのだ。


「本当に3,000円(或いは4,000円)ですか?」

『MONDAY MAGIC』を見た貴方もきっと、こんな台詞を言いたくなるはず。


まとめ

NOAHの『MONDAY MAGIC』は、令和のプロレス界に産み落とされた【究極のおもちゃ箱】だと私は思う。

チケット代は通常興行(何なら今のプロレス界全体)より安価だし、安価で豪華絢爛な組み合わせやサプライズが多く見れるし、何より毎回お客さんが楽しんでいる雰囲気が心地よい。


誤解を恐れずに言ってしまうと、「NOAH本興行は行かないけど、MONDAY MAGICは行く」というプヲタは結構いそうな気がする。
(そうならないよう差別化はしてるけれど…。)

私も実際season1の初回大会終了後、チケット売場に直行して次回大会のチケットを押さえたくらいには魅力がすごいから。


でも、知り合いの方とかに『MONDAY MAGIC』の話をすると、「えっ?そんなに安く見れるの?」と言われる機会も未だにあるし、ここからNOAHが知られてほしい(見てください!)という気持ちが私は強い。


平日月曜夜。しかもseason2は新年度で色々ある4月に集中開催というスケジュールだけど、この魅力は現地で、生配信で、見逃し視聴で知られてほしいのです。

実際、憂鬱になりがちな月曜日も待ち遠しく感じられるようになったのは、『MONDAY MAGIC』のおかげだ。
『MONDAY MAGIC』を見終わった後は、自然と「よし!1週間頑張ろう!」と思えたから感謝しかない。



みんなで見よう、『MONDAY MAGIC』!

みんなで楽しもう、『MONDAY MAGIC』!


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