『にっしんカメラ』で酒を飲んだ話
はじめに
2022年10月半ばの金曜日、私は買い物を済ませる為、秋葉原を訪れていた。
用事も無事終わり、秋葉原から岩本町駅まで歩いていた道中、『にっしんカメラ』の横を通りかかった。
同店は、現在使っているデジタルカメラを購入した、個人的に思い出深い場所でもある。
扉の横には看板が置いてあったのだが、よく見ると、【クラフトビール、カクテル、ハイボール 800円】という文言と、クラフトビールのメニュー表が貼られている。
そして、店内には、店員と思われる男性が一人…。
「カメラ屋の目の前に、バーの看板なんて置けるものなんだろうか…?」
目の前の光景を信じることが出来ぬまま、私はその場を通りすぎて、駅へ向かおうとした…。
しかし、事の真偽が気になって仕方ない私は、持っていたスマートフォンの検索エンジンで、【にっしんカメラ バー】と検索してみた。
すると、『にっしんカメラ』でバーをオープンしている情報が出てきたではないか。
急に店への興味が湧いてきた私は、駅へ行く道を引き返して、『にっしんカメラ』に入ったのである…。
カメラに囲まれて飲める、唯一無二の空間
恐る恐る、店へと入った私…。
普段レジとして使われている場所には、椅子やテーブルクロスが置かれていた。
確かに、バーの趣がある。
店内に流れるBGMも、オシャレなジャズだ。
「初めて来たのですが…」
そう尋ねた、右も左も分からぬ私に対し、バーのマスターは優しく接してくださった。
この瞬間、私が抱えていたソワソワは一気に解けた気がする…。
2022年4月にオープンしたばかりという『一番地』は、『にっしんカメラ』の店舗内を利用したバーである。
私自身、1~2年位前に店舗の改装工事を行った事は把握していたけれど、まさかこの場所でバーを運営しているなんて、露ほども思わなかった。
営業日は、基本的に毎週火曜~金曜の19:00~21:00までの2時間限定営業。
(※詳しい営業日については、公式アカウントにて告知)
19時に閉店するカメラ店の営業後に、バー営業を行っているとの事だった。
実際、バーのマスターも、日中に『にっしんカメラ』の店員として働いた後、カウンターに立っているんだそうな。
支払いは現金払いの前金制で、主なメニューとしては、冒頭の看板にも書かれていたようなクラフトビールやウイスキーが中心。
マスターによると、レジ後方の棚に陳列されたウイスキーは、カメラ屋として営業している時もそのまま置かれているらしい。
よく見ると、棚にはカメラ関係の本と一緒にウイスキー本も置かれていた(笑)
ウイスキーに関しては、カメラ店が運営するバーながら、オーセンティックバーに近いラインナップ。
基本的にオーソドックスなものが主体だが、アイラモルトウイスキーで1杯1,000円だなんて、他と比べても価格は安い方ではないか、と私は感じた。
そして、何より一番凄いのは、沢山のショーウインドーに陳列された、カメラボディやレンズに囲まれながら酒が飲める点。
これは、『一番地』でしか味わえない魅力!!
バーの営業時間中は、レンズやボディといった高額商品の販売はしないそうで、あくまでも【カメラ屋とバーは別々】というスタンス。
店のハードルも高くないので、カメラの事を分かっていない私でも、行きやすい・馴染みやすい雰囲気でした!
この日は19時過ぎに来店したのですが、閉店時間の21時が訪れるまで、楽しすぎてあっという間のひと時!
お店では、最近のフィルムカメラ事情に関するお話だったり、他のお客さんから風景写真のお話が訊けたりと、カメラ屋ならではの磁場を感じた場面も。
(最近はフィルムの価格が高騰しているだとか、若者向けにフィルムカメラが売れているとか、デジタルカメラ使いだと知らない事情や情報ばかり…)
今まで行ったことのない別ジャンルの場所は、自分の素性やアカウントを知られていない状態で行くので、やはり新鮮そのもの。
だからこそ、勉強になったり刺激になったり…。
とても楽しかったです!
まとめ
ひょんなことから足を運んでみた、『にっしんカメラ』店舗内のバー・『一番地』
オーセンティックバーのような小洒落た雰囲気がありながら、良い意味で敷居は低いので、色々な方にオススメしたいバーでした!
カメラ屋には日本酒の利酒師の資格を持つスタッフもいるらしく、その人がカウンターに立つ時は日本酒も出るとの事。
ここまで聞くと、カメラ屋のやっているバーとは俄に信じがたいものがあります…(笑)。
こういう、何気ない出会いから始まる御縁もあるのだと、今回の件で実感した次第です。
また行こう…!