アートビオトープ"建築とアートとランドスケープのシームレス化"
知らずに好きになっていた事について語ります。
以前行った那須のアートビオトープの「水庭」
建築家の石上純也氏による設計。自然は手を加えないことの美しさが至上だと思っていたがここに関しては違った。
1.手が加えられた自然の美しさ
周辺建物の建替えに伴い、自生していた樹木を重なって見えないように計画的に移植し配置された庭。その隙間に無数の人口水溜りが作られ、地中で配管されている。計算し尽くされた庭の中を回遊するどの場面を切り取っても美しい。
2.徹底された世界観
この「水庭」は事前予約制のツアー参加者のみ立ち入ることができる。宿泊施設部分で経緯やコンセプトについてレクチャーがあった後に見学ができる。リーフレットやポストカードのデザイン、ツアーガイドの立ち振る舞い含め、「水庭」を体験する構成要素となり、非日常へと吸い込まれていく。
3.リアルなファンタジー空間
日本昔話的な原風景にはほど遠いけど微かな既視感もある。たっぷり水分を含んだ水彩画を用いた絵本の1ページのような感じ。リスとか妖精とかぐりとかぐらが出てきそう。
配置やバランスと機能を両立した建築的なアプローチ、その美しさにおいてアート性も高く、周囲との調和、宿泊施設からの見え方を考慮したランドスケープ。いずれの視点で完成度が高く境目がない。
そして一番すごいのは作られた庭だけど四季を繰り返し自然にさらされてなお、美しいこと。