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信仰の灯"福江島の教会建築"
昨年福江島へ行った。
大分前に建築雑誌で見た時から、いつか訪れたいと思っていた。
知り合いが福江島で起業したのをキッカケに、会いに島へ行くことにした。長崎ー福江島間の飛行機が悪天候により飛ぶかギリギリまでわからなかったが、機体と共に内臓も揺れながら到着した。
福江島を含む五島列島は、1612年に豊臣秀吉によって発令された禁教令からおよそ300年もの間、密かにキリスト教を信仰する人々にとっての救いを求めた地であった。
しかしながら、潜伏キリシタンの迫害は五島まで及んだ。1873年禁教令の高札が下されてもなお、表に出ず信仰を続ける隠れキリシタンも多くいた。このような歴史的背景があり、復活を果たした現在長崎県にある130の教会のうち50ヶ所が五島に存在する。
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1.あらゆる教会様式と高い技術力
五島の教会は、様々な建築様式が用いられ、日本の高い技術力を融合した和洋折衷なものも含めどれひとつとして似た建物がない。
五島布教の拠点となった堂崎教会は煉瓦造りのゴシック様式の建物で、資材の一部の赤レンガはいたりから運ばれている。合理的な構造で決して華美ではないステンドグラスは、素朴で実直な島の様子を表している。
白亜の水ノ浦教会はロマネスク様式でありながら、この規模を木造で建てられるかと驚いてしまうが、和風建築の技術が巧みに用いられている。
三井楽教会は、元々ゴシック様式の木造教会だったが、老朽化のため1971年、現在のモダンなモザイクを用いた教会に建て替えられた。内部のステンドグラスも含め、外界から影響を受けずに島の文化として独自に作られたデザインがとても興味深い!
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2.島の自然との共存
長崎から迫害を逃れ危険な航路の末、人々は島にたどり着き移り住んだ。故に海沿いに集落が出来、教会が建てられた。周辺の小さな島からも礼拝に船で訪れる人もいた。
教会は海を眺めながら、遠く離れた土地の信仰者と心を通わせ、海や山は教会の存在を静かに見守っている。
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3.信仰の灯を絶やさなかった教会の存在
どの宗教も信仰は本来カタチはなく、人々の心の中にある。ただし、教会は礼拝などの儀式を執り行ったり、キリストの教えを学んだりする場として必要不可欠な存在である。現存する教会の多くは禁教令解除後に建てられたものだが、慎ましやかに祈りを捧げていた時代から復活を遂げ建てられた荘厳な教会まで、カタチを変えながらも祈りの場=信仰の灯が、静かにそして強い信念を持って続いていることに、心を打たれた。