壁に溶け込む掛け時計"CARVED"
タカタレムノスから出ている壁掛け時計のCARVED。何年もリビングの壁に掛かっている。熱望して購入した記憶はないが気づいたら家にあった、という感じ。
池袋西武デパートやドラマの「私の家政婦なぎささん」の主人公の部屋にあったり、気をつけて見ると日常のあらゆる場所にこの時計はある。
現在ではカラーバリエーションやサイズも豊富で、文字もLine,RomanとArabicのパターンがある。私としては直感でホワイトのArabicだった。
建築家でもあるこの時計のデザイナーは、時計を空間の一部として捉えて、文字盤の質感にこだわったという。
1.陰影のみの文字がミニマルで見やすい
文字盤は全て白い塗装のため、文字は彫り込まれた溝に落ちる陰影で認識する。また文字を指す長針と短針もまたその針が落とす影によって角度がわかる。昼間は日の当たり方、夜は照明の位置で陰影は変化するのも楽しい。時計の1から12のレイアウトは人間にある程度インプットされているので、これくらいミニマルなくらいが時刻を読みとるのに集中できる。
2.ドリル刃の加工しやすさがデザインに
文字の加工はスピーディーに量産できることをデザイン段階から考慮し、1種類のドリル刃で一筆書きで彫れるように設計されている。文字をややフレームアウトさせることでその溝の断面も覗けてしまう。
3.表面のザラっと感が壁に、部屋に馴染む
文字盤は内装の額縁やリブ材にも使われる無機質系人造木材。軽くてマットで微かにザラっとした表面はクロス壁にも打ち放しにも当然塗装壁にも合う。主張するのではなく馴染む、むしろその中での文字や針の陰影が際立つ。
この文字、何となく既視感があった。小学校1年生の算数の教科書に出てくる数字!
妙に正義感のあるこの文字が好き。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?