狭小空間を楽しく"DEN 区切る、囲う。暮らしを快適にする居場所づくり。"
かつては夜人々で賑わっていたが、今では老朽化した建物が立ち並び再開発がジワジワと進む六本木エリア。
その六本木に40年以上店舗を構え、私が大好きなインテリアショップ「リビングモチーフ」。同店はアクシスが展開し、インテリア用品、家具、書籍、ステーショナリーからスタイリングサービスまで行っている。
どの商品も質が高く、一貫したセンスの中で丁寧に選ばれている。衝動買いをするには安くない価格帯のものばかりだが、情報をアップデートしたり、質の良さを勉強するのに定期的に訪れている。
店舗の通りに面したショウウィンドウ部はギャラリーになっていて、また興味深い展示を見ることができる。
現在では「DEN 区切る、囲う。暮らしを快適にする居場所づくり」と題した展示が行われている。
コロナを機に暮らすだけでなく、仕事をする場にもなった家。その中でDENの在り方を4つのテーマで提案し、空間作りをしている。
スタイリングはインテリアスタリストの中林友紀氏。同ギャラリーの展示やインテリアショップのカタログ、雑誌のスタイリングで大活躍中だ。
ポップで遊び心がありつつ、居心地がよく手に届きそうな程よくリアルな空間作りが得意で、大好きなスタイリストの1人だ。
空間提案の其々が機能的で独立した居心地の良さが感じられる。
1.質感と色みでほんわかcozy
林檎飴のようなぽってりと可愛い照りとフォルムが印象的な&traditionのペンダント照明。ホワイトのメラミンで小口にMDF合板が見える、空間に馴染みやすいtojoのシェルフ。野菜を連想させる美味しそうな色みとザラザラした椅子のファブリックから光沢のあるペンダントシェードまで、結構色んな要素が小さな空間に混在しながらも雑然とせずに成立している。大人から子どもまでが同じ空間で思い思いの時間を過ごす姿ご目に浮かぶ。
2.ギュッとスマートに機能が凝縮
手前にデスクスペース、その先にソファ、さらにシェルフを挟んでベッドスペースがレイアウトされている。働く、くつろぐ、休む、その機能が同一空間にギュッと凝縮されている。ジャンプルーヴェの安定感のある椅子、アノニマカステッリのミニマルな折りたたみ椅子、こちらも近い場所にありながらもそれぞれの役割を果たしながら共存している。そしてベッドスペースを静かに過ごすための階段状に組み立てられた緩い仕切りとなる金属シェルフが良い仕事をしている。
3.可変シェルフで壁creative
狭い空間では壁をいかに活用するかがポイントになってくる。なんだかんだでモノが減らない作業空間では可変性のあるオープンシェルフは便利だ。MOEBEのシェルフはポールのブルーが空間にアクセントをもたらしている。よく見ると棚とポールは楔くさびで固定する、シンプルな機構だ。
暮らしに求められる用途が多様化する一方、特に都心部では広さが確保しづらい。そんな中で家具で緩く仕切る、囲う手段は今後も増えていくだろう。