ワンセンテンス御伽話【ゴン爺とボン爺の物語】
頭のおかしな後輩が泊まりに来た。
涼しく感じる日はあるものの、10月も半ばを過ぎたというのにここ数日は蒸し暑い夜が続いている。
その日もその日でしっかりと深酒し、いつものように気を失うように眠りについた。
窓を開けて寝ていた為に、カラスやらスズメやらがチュンチュンやり始めたのが聞こえた4時半頃、
我々は何故か同じタイミングでスッと起きてしまった。
『眠いけど起きちゃいましたね』
「だね。」
『でもまだ眠いです。寝かしつけてください。』
なんで?
「じゃあ………お話する…?」
『では一文章ずつで🤗』
あ、そういう【お話】を?作る感じ?
【ゴン爺とボン爺の物語】
むかしむかしあるところに、おじいさんと……おじいさんが住んでいました。
おじいさんの名前はゴン爺。
もう一人のおじいさんの名前はボン爺でした。
ボン爺は宇宙人です。
犬のタンと三人でなんとなく生きています。
『おぉ〜い!ゴン爺さんや〜!外が大変じゃ〜!』
「どうしたんじゃボン爺〜!何があったんじゃ〜!」
『何が……あったんじゃろなぁ……』
「なぁ……」
ボン爺は少し記憶力に難があるようです。
そうして二人はただ、なんとなく生きていました。
ある時、空が真っ暗な事に気が付きました。
「ボン爺さん、太陽が登っておらんぞ!」
『ほんとじゃ!数日真っ暗だったのはこの為か!』
実は犬のタンは大変賢く、予知能力があります。
〈ワンワンワン!〉
「ボン爺さん、タンが何か言うとるぞ」
『何て言うとるのじゃろうなぁ…』
「なぁ…」
そうしてなんとなく、そのまま数ヶ月が過ぎました。
「太陽が出てないから畑の作物がダメになってしもた」
『よし、わしの宇宙船からUVライトを持ってこよう』
「おぉこれは良い!まるで日焼けサロンじゃ。」
そうして二人はこんがりするまでライトにあたる事にしました。
その時、空から突然ワニが降りてきました。
クロコダイルです。
〘ちょちょちょ君たち見てらんないよぉ〜お話が進まないよぉ〜〙
そういってクロコダイルはゴン爺を丸呑みにしてしまいました。
『なんて事をするんじゃ!!!ゴン爺は…ゴン爺はわしの太陽だったのに……!!』
そういってボン爺は外に飛び出してしまいました。
その時、空からもう一匹のワニが降りてきました。
アリゲーターです。
〚ふふふ、太陽が出なくて困ってるみたいだから来たよ。〛
ボン爺は慌てて小屋に戻って言いました。
『へ?太陽…?ゴン爺はどこじゃ…?』
ボン爺は記憶力に少し難があるようです。
〚もお!えい!〛
そういってアリゲーターはゴン爺を丸呑みしたクロコダイルを丸呑みにしてしまいました。
〈ワンワンワンワンワン!〉
タンが狂ったように吠えています。
タンは全てを【わかって】いる犬です。
『なに言うてるか分からん』
ただ、ボン爺さんは犬の言葉が分かりません。
〈チッ…!サンサンサン!サン!〉
『sun…??太陽…!そうじゃ!ゴン爺!』
ボン爺は宇宙船から、宇宙ひっぱたき棒を取り出し、アリゲーターの腹をひっぱたきました。
すると、クロコダイルと、クロコダイルの胃液で若返ったゴン爺がスポーンと飛び出しました。
その姿は光輝いてまるで太陽のようです。
辺り一面が明るくなり始めました。
「ボン爺…!ありがとう…!」
『ゴン爺…!お前が太陽だったんじゃな!
それにしても美少年!!!』
「ぼく、ずっと世界を照らし続けるよ!」
その様子を見たクロコダイルとアリゲーターは、微笑みながら空へ帰っていきました。
なんぞこれ。
途中で犬、舌打ちしたよね?