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視界#1 再会を喜ぶ宇宙人たち

   ハチ公のとなりで20分ぐらい待たされた   待ち合わせにはいっつも丁度か数分遅れて行くタチなので、こういう経験はほとんど初めてと言ってよい
   周りには、同じように待たされている人たちが沢山いる。少し待たされすぎでは無いかと思う。今の時代、時間ピッタリに行くことは出来るはずなのに…   しばらくその物語に思いを馳せたりして楽しんだ。
   驚いたことに、そりゃ、あたりまえだけと、毎分一人またひとりと待ち人は入れ替わる。その2回に1回は、多少重みのある再会であるようだった。数年以上の隔たりを以てでないとありえないようなトーンの"久しぶり~"にしては、頻繁に聞こえすぎて、待ち合わせ場所番付横綱の格は伊達では無いようだった。  雑踏の構成要素が、急に自分の中で物語性を持ち始め、視界が変質した。自分が宇宙人を舐めていたことを自覚した。駅の上にでかでかと掲示されたふたつの顔(おそらくゆうめいじん)を、街中に掲示されたふたりのエイリアンの顔として見た。その差は自分には区別できないが、そこには多くの人に共有された物語があるはずだった。可愛かったり、おっさんだったり、面白かったりするはずだった。やはり自分は宇宙人を舐めているんだね。
   待ち合わせをしているのはカップルが多いんじゃないかとか思ったけど、そんなことはなくてほとんどが同性同士だった。乃、遠い星で待ち合わせをしてる宇宙人達を見ても、異性同士かな?なんて思っちゃダメということだ。

   15分ほど遅れて彼が来た.  
 " ごめん、待った?"
 " 待ちすぎて死ぬかと思った " 
   という会話の発生を少し期待したが、発生しなかった。これいつかやりたいのよね。

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