見出し画像

【星の王子さまとキツネの対話】黒田勇吾

 それから王子さまは、キツネのところに戻った。 「さよなら」王子さまは言った。。。。。。 「さよなら」キツネが言った。「じゃぁ秘密を教えるよ。とても簡単なことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばん大切なことは、目に見えない」 「いちばんたいせつなことは、目に見えない」忘れないでいるために、王子さまはくりかえした。 「きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみがバラのために費やした時間だったんだ」 「ぼくが、バラのために費やした時間。。。。」忘れないでいるために、王子さまはくり返した。 「人間たちはこういう真理を忘れてしまった」キツネは言った。「でもきみは忘れちゃいけない。きみは、なつかせたもの、絆を結んだものには、永遠に責任を持つんだ。きみは、きみのバラに責任がある。。。」 「ぼくは、ぼくのバラに責任がある。。。」忘れないでいるために、王子さまは繰り返した。         21の途中から      「星の王子さま」サン・テグジュぺリ

@フォトは末娘の小学生時代の絵