#67 ヨハネの黙示録

本日はこちら。最終回です。

レジュメ

※「※」や「⇒」で書いてる記述は、このNoteを書いてる者のメモです。他はレジュメのコピペです。

1.はじめに

(1)黙示録は、旧新約聖書に散らばっている預言を時間順にまとめた書である。
①ダニ9:25~27(70週の預言)
②マタイ24~25章(オリーブ山の説教)
③2テサ2:1~12、テト2:13~14(携挙)

(2)黙示録は、最終ゴールである新天新地に至る道筋を示した書である。
①携挙(教会が天に上げられる)、反キリストの登場、患難期、イスラエルの救い、再臨、千年王国、白い御座の裁き、新天新地

2.アウトライン

(1)著者と宛先
(2)4つのアプローチ(解釈法)
(3)黙示録の3区分
①あなたの見た事
②今ある事
③この後に起こる事
(4)黙示録を学ぶ者に与えられる祝福

ヨハネの黙示録から教訓を学ぶ。

Ⅰ.著者と宛先

1.著者は、使徒ヨハネである。
(1)内的証拠
①黙示1:1、4、9は、「私」(著者)が「ヨハネ」であると証言している。
「イエス・キリストの黙示。これは、すぐに起こるはずの事をそのしもべたちに示すため、神がキリストにお与えになったものである。そしてキリストは、その御使いを遣わして、これをしもべヨハネにお告げになった」(1:1)
②当時ヨハネは、エーゲ海のパトモス島に幽閉されていた。
③この島で、ヨハネは神からの啓示を受け、それを書き記した。
④この書が書かれたのは、紀元95年頃である。

(2)外的証拠
①ヨハネ著作説を認めた代表的な教会指導者たち
*殉教者ユスティノス
*エイレナイオス
*アレクサンドリアのクレメンス
*テルトリアヌス

2.宛先は、迫害に遭っている信者たちである。
(1)この時代のクリスチャンは、そのほとんどが第2世代の信者たちであった。
①迫害は、第2世代の信者たちの信仰を試し、揺さぶった。
②ローマ帝国の迫害によって、殉教の死を遂げる者も出始めていた(2:13)。
③信者たちは、未来に希望の光を見る必要があった。

(2)黙示録の特徴は、次の2点に集約される。
①黙示録は、忍耐をもって迫害を耐え忍ぶようにという勧告の書である。
②黙示録は、終わりの日には、悪は必ず滅ぼされるという預言の書である。

Ⅱ. 4つのアプローチ(解釈法)

1.歴史的アプローチ
「黙示録は、紀元1世紀からメシアの再臨に至るまでの教会史の預言的パノラマを提供している」

(1)黙示録を「教会史の預言」と見るので、「歴史的アプローチ」と呼ばれる。
①このアプローチが誕生したのは、紀元4世紀である。
②当時の教会が置かれていた状況と黙示録の間に相関関係があると考えた。
③12世紀、フィオーレのヨアキムが、このアプローチを広めた。
④16世紀、宗教改革者たちも、この説を支持した。
*宗教改革の敵であったカトリックの法王を反キリストと見なした。
⑤「〇〇が反キリストである」という主張は、このアプローチの特徴である。

(2)黙示録は、分散して語られた預言を、時間順に並べ直した書である。
①歴史的アプローチでは、終末的出来事の流れを説明することができない。

※歴史的アプローチ:解釈の限界を露呈しているアプローチ。

2.比喩的アプローチ
「黙示録は、今も続いている神と悪魔の戦い、善と悪の戦いを、象徴的に描写したものである」

(1)アレクサンドリア学派の神学(オリゲネス)に特徴的な解釈法である。
①ギリシア哲学の影響を受けた神学体系である。
②霊を善、物質を悪とみなす傾向が非常に強い神学体系である。
③文字通りの千年王国を信じる信仰を否定する。
④「無千年王国説」を最初に提唱したのは、アウグスチヌスである。

(2)比喩的アプローチには、致命的欠陥がある。
①なぜ黙示録が迫害下にある聖徒たちの慰めになるのか分からなくなる。
②「四十二か月」(11:2)や「千二百六十日」(12:6)などが意味不明。
③象徴的言葉は、将来登場する具体的な人物や出来事を指し示している。
④比喩的アプローチでは、黙示録の本当の意味を解明することができない。

3.預言成就的アプローチ
「黙示録の預言は、紀元70年に、ティトゥス将軍とローマ軍がエルサレムを滅ぼし、神殿を破壊した時に、すべて成就した。従って、黙示録は将来の出来事を預言しているわけではない」

(1)キリストの昇天から神殿の崩壊までの期間に、黙示録の預言は成就した。
①このアプローチが主張する内容は、黙示録自身の証言と矛盾する。
②黙示録は、その内容が終末的預言であると自己証言している。
「この預言のことばを朗読する者と、それを聞いて、そこに書かれていることを心に留める人々は幸いである。時が近づいているからである」(1:3)
「見よ。わたしはすぐに来る。この書の預言のことばを堅く守る者は、幸いである」(22:7)

(2)黙示9章18節には、人類の3分の1が殺されるという預言がある。
①紀元70年に多くの死者が出たが、人類の3分の1が死んだわけではない。

※非常に影響力があるのが比喩的アプローチ。註解書の中で一番多い。

4.未来的アプローチ
「黙示録のほとんどは、メシアの再臨の前に起こる終末時代の出来事の預言である」

(1)未来的アプローチは、黙示録の字義通りの解釈と調和するアプローチである。
①字義通りの解釈を行わなければ、黙示録は要(かなめ)が外れた扇のようになる。
②初臨に関する旧約の預言は100以上あるが、すべて文字通りに成就した。
③再臨に関する預言も、文字通り成就すると考えるのが最も合理的である。
④初期の教会の指導者たちは、未来的アプローチに立っていた。
⑤筆者もまた、このアプローチを採用している。
⑥黙示録のテーマ聖句は、1章7節である。
「見よ、彼(キリスト)が、雲(栄光の雲)に乗って来られる。すべての目、ことに彼を突き刺した者たちが、彼を見る。地上の諸族はみな、彼のゆえに嘆く。しかり。アーメン」(1:7)

※嘆く理由:信じてなかったから。

Ⅲ.黙示録の3区分

はじめに
(1)アウトラインを示す聖句は、1章19節である。
「そこで、あなたの見た事、今ある事、この後に起こる事を書きしるせ」(1:19)

1.あなたの見た事
(1:9~20)
(1)ヨハネは、パトモス島で、天におられる栄光のキリストを目撃した。
①地上的なイエス・キリストのイメージしかない人には、衝撃的な幻である。
②キリストは、地上の教会の様子を熟知しておられる。

(2)「あなたの見た事」の内容は、3つの部分に分かれる。
①ラッパの音のような大きな声(1:9~11)
②栄光に輝く人の子(1:12~16)(=キリスト)
③幻の解釈(1:17~20)(=7つの燭台、=7つの教会)

2.今ある事
(2:1~3:22)
(1)今ある事は、教会時代の描写で、7つの教会への手紙となっている。
①7つの手紙は、キリストご自身から地域教会に宛てられたものである。
②パウロ書簡を学ぶような熱心さをもってそれを学ぶ人は、余り見かけない。
③黙示録の7つの手紙を軽視することは、大きな損失である。

(2)7つの教会の神学的意味
①7つの教会は、当時小アジアに存在していた実際の地域教会である。
②7つの教会は、教会の7つの型を指し示している。
*教会史のどの時代を取っても、これら7つの型は同時に存在していた。
③7つの教会は、それぞれの時代の教会の特徴を預言的に表したものである。
*特定の時代においては、ひとつの型が顕著に浮かび上がってくる。

(3)7つの教会と7つの時代
①エペソにある教会は、「使徒時代」の教会の型である。
②スミルナにある教会は、「迫害時代」の教会の型である。
③ペルガモにある教会は、「国家と結婚した時代」の教会の型である。
※政治権力と合流
④テアテラにある教会は、「暗黒時代」の教会の型である。
※聖書がほとんど読まれない。ラテン語のみ。一般人は儀式に参加するのみ。中世暗黒時代。
⑤サルディスにある教会は、「宗教改革時代」の教会の型である。
※熱心にみ言葉を学んで、目が開かれる。
⑥フィラデルフィアにある教会は、「大宣教時代」の教会の型である。
※宗教改革の後の18、19世紀の宣教時代。
⑦ラオディキアにある教会は、「背教時代」の教会の型である。
※終末時代。人間的解釈。人間中心主義。

3.この後に起こる事
※携挙の後・・・
(4:1~22:5)
(1)大患難時代の前半3年半(6:1~9:21)
①封印の裁き
※巻物の封印が解かれる。
②144,000人のユダヤ人の伝道
③第7の封印=ラッパの裁き

(2)中間期(10:1~14:20)
①10~14章は、挿入箇所である。
②物語の時間的進展はなく、状況を解説した文章が出て来る。
③大患難時代の神殿
※神殿が建ってる!
④ふたりの証人
※2人が活動するけど、殺される。
⑤大患難時代のイスラエル
⑥海からの獣(反キリスト)
※海:異邦人世界。
⑦地からの獣(偽預言者)
※悪魔、反キリスト、偽預言者、という悪の三位一体。
※偽預言者が聖霊の役割を果たしている。

(3)大患難時代の後半3年半(15:1~16:21)
①第7のラッパ=鉢の裁き

(4)反復(再記述の法則)(17:1~18:24)
※今までに述べたことを、改めて述べる。
※すでに述べた内容を詳しく。創世記でもあったアプローチ。
①前半の3年半:教会としての大バビロン(17章)
②後半の3年半:政治組織としての大バビロン(18章)

(5)再臨(19:1~20:3)
①再臨の序曲と再臨そのもの
※イスラエルが「キリストよ、来てください」と祈るのが再臨の条件。
②ハルマゲドンの戦い
※最後の戦い。

(6)メシア的王国(千年王国)(20:4~6)
①メシアによる統治
②第一の復活

(7)その後の出来事(20:7~15)
①サタンの最後の反乱
②白い御座の裁き

(8)新しい天と新しい地(21:1~22:5)

Ⅳ.黙示録を学ぶ者に与えられる祝福

1.黙示録の学びには、少なくとも7つの祝福が伴っている。
(1)神は主権者であり、人類の歴史の支配者であるという確信が与えられる。

(2)神の導きにより、善が悪に勝利するという確信が与えられる。

(3)空中でイエスとお会いする携挙の時が近づいているという希望が与えられる。

(4)召された者と再会し、主と永遠に住むようになるという希望が与えられる。
※中川さんの父母との再会。

(5)イエス・キリストにある救いの素晴らしさをより深く理解できるようになる。

(6)神のことばである聖書に対する信頼性が増す。

(7)神はご自身の約束に忠実なお方であることを、深く確信するようになる。

2.黙22章20節
「これらのことをあかしする方(キリスト)がこう言われる。『しかり。わたしはすぐに来る。』アーメン。主イエスよ、来てください」(22:20)
(1)主イエス自身が、証人になられる。
①「しかり。わたしはすぐに来る」
②携挙と再臨は、いつ起こってもおかしくない。
※2つの間は7年+α

(2)聖徒たちの応答
①「アーメン。主イエスよ、来てください」
②「来てください」は、アラム語のマラナ・タから来ている。
③新約時代の聖徒たちが使用していたあいさつの言葉である。
④キリストの再臨は、あらゆる時代の聖徒たちの希望である。

※アダムとエヴァの生活は創世記の最初のシャカイナ・グローリーの中で始まった。

※黙示録の最後で、再び、シャカイナ・グローリーの中でとこしえに暮らすようになる。


次回以降


復活の種類を整理

1. 初穂としての復活(イエスの復活)
2. 教会時代の聖徒の復活(患難期前の携挙で復活、キリストの御座の裁きへ)
3. 旧約の聖徒たちと患難期の聖徒たちの復活(患難期と千年王国との間の75日で復活)
4. 罪人(つみびと)の復活(白い御座の裁きへ)

感想

いやあ、最終回でした。既に聞いてたり、事前に調べて知ってた話がほとんどでしたけど、改めて整理できました。再臨の前がハルマゲドンで、新天新地の前の、白い御座の裁きの前にも最後の反乱があるんですね。

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