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もしも、自分が会社員だったら【資産形成編】
私自身、フルコミッションの個人事業主という立場なので、毎月の収入が一桁変わることはざらにあります。
固定給の年功序列で収入が上がっていく仕組みが嫌で会社員を辞めたはずが、たまに安定が羨ましくなる瞬間がありますw
FPとしてお客様の将来設計を考える際には、
会社員・個人事業主・経営者それぞれで打つべき対策が全く異なります。
そして、世の中の大半の方が会社員ということもあり、今回は【もしもシリーズ 資産形成編】として、会社員の方を対象にした内容をお届けします!
会社員のメリットとは?
実際、会社員には資産形成において非常に有利なメリットがいくつかあります。
具体的には
・与信がある:銀行などからの融資が受けやすく、低金利で借り入れが可能。借入金利以上の運用は難しくない。
・収支の予測が立てやすい:安定した給与収入があるため、仕組みを構築すれば資産形成の道筋を明確に描ける。
・社会保障が手厚い:健康保険、厚生年金、各種福利厚生が整備されており、リスクヘッジがしやすい。
・時間的な自由:給与が安定している分、副業や投資に集中できる余力が生まれる。
このように、会社員は資産形成の「土台」が整っている状態です。
この土台をどう活かすかで、
資産形成のスピードが大きく変わります。
それでは実際のシュミレーションをしてみましょう。
前提条件
・32歳独身東京都在住
・年収800万円と設定します(手取り約600万円)
・預金300万円
・住居は賃貸
・運用は未着手
・無保険
この設定でお話を進めていきます!
ここからは、具体的なお金の使い方、住居選び、資産形成の手法を詳しくお伝えします。
FPとしての視点を交えたちょっっとだけテクニカルな話もありますので、ぜひ参考にしてください。
1. 住居について
私がこの条件なら、東京での住居は間違いなくマンションを購入します。
会社員の最大のメリットは、「与信力が高い」こと。日本の低金利を活用して、資産価値が保てる不動産を借入れで購入できるのは、会社員の特権です。
・物件価格の想定:4,000万円程度の1LDK。
・この価格帯では築年数が古い物件が中心ですが、リノベーション済みの綺麗なマンションが多く存在します。
物件選びのポイント
①資産価値が下がりにくいエリア(駅近・都心寄り)
②賃貸需要のある物件(売却時や賃貸転用時のリスクヘッジ)
※基本的に賃貸に出す場合はローンの切り替えが必要
年間の住居コスト(目安)
・ローン返済+管理費+修繕積立金+固定資産税=約170万円
※住宅ローン控除で増えた手取り分は運用に回します。
2. 生活費と趣味
・生活費:月25万円に抑える(年間300万円)
・趣味、旅行費:年間30万円
これで年間の固定支出は約500万円。残り100万円を資産形成に回します!
3. 資産形成プラン
① 銀行預金はこれ以上増やさない
現時点で預金が300万円ある設定であれば、これ以上は増やしません。
預金は安全性が高い反面、増やす手段としては最も非効率的です。
理由は以下の通り
・普通預金の金利は0.1%以下
・物価上昇率は2%以上(実質的な貨幣価値が目減り)
② NISAの活用
・つみたて投資枠:年間30万円
→ FANG+など成長株に連動するインデックスファンドを選択。
理由:米国株中心のファンドは長期的に高いリターンが期待できるため。
・成長投資枠:年間40万円
→ 個別株(例:テック株や原子力関連株)。
理由:基本的に売買は繰り返さないので長期で大きな成長が期待できる分野を選びます。
③ 不動産投資
不動産投資は、収益と節税効果を兼ね備えた選択肢として非常に有効です。会社員としての与信力を活用し、以下の戦略で進めます。
・与信枠を活用
銀行融資を活用し、投資用マンションを購入します。日本の低金利環境を最大限に活かしましょう。
・減価償却を使った節税
投資用マンションを減価償却し、住民税削減、所得税の還付金は再投資に回します。
減価償却とは↓
・家賃収入でローン返済
入居者の家賃収入をローン返済に充てることで、自己資金の負担を最小限に抑えつつ、着実に残債を減らします。
・10年後の売却益を狙う
購入から10年を目処に、残債以上の価格で売却し、売却益を得る計画です。エリア選びが成功の鍵となるため、慎重に物件を選定してください。
・がん団信をつける
融資を受ける際には、がん団信(がん診断保障特約付団体信用生命保険)を50%または100%で付けることをおすすめします。
万が一、がんと診断された場合にローン残高が半分または全額返済されるため、家族や自身の生活を守ることができる。
※物件選びが成功の鍵。詳しくはご相談ください。
④ 保険で鉄壁のディフェンス
資産と自身の収入を守るための保険設計も必須です。
特に重視するポイント
・収入減の補填:生活費の安定を保つ保障を重視
・大病への備え:治療費や生活費のカバー
・投資の継続性:経済的理由で投資を中断しないための保障。意図しないタイミングの株や投信の売却は勿体無い。
※金融庁のルールが厳しいので詳細は控えますが、オーダーメイド設計で最大限の防御を構築します。
4. 最後に…収入アップの重要性
ここまで資産形成についてお話ししましたが、
この物価高の中で東京で暮らすのは正直簡単ではありません。。。
年収800万は全くゆとりはありません。
この記事を作成して改めて思いました。
資産形成を進める上で、
収入を増やす努力は最も効率的な解決策です。
この例の年収800万の方であれば年収1,000万円の突破を目指すマインドセットを持つこと、
1,000万がクリアしたら2,000万、3,000万を目指す。
常に上を目指し行動していきましょう!
まとめ
年収800万円の会社員が資産形成を行うには、安定収入を活かしつつ攻めの投資を取り入れる戦略が重要です。
・住居:資産価値を保つマンション購入
・NISA:つみたて投資枠と成長投資枠を活用
・不動産投資:家賃収入と節税を活用した中期戦略
・保険設計:収入や投資継続を守る鉄壁の防御
具体的な運用商品の選定方法、不動産スキーム、保険設計については、ぜひ個別でご相談ください。
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