片おしどり
仲睦まじい夫婦のことを「おしどり夫婦」と呼びますよね。
その「オシドリ」、実は毎年ペアを変えると聞いて、「ウソ!」って、思わず色々と調べちゃうくらいに驚きました。
「おしどり夫婦」の由来は、中国の故事「鴛鴦(えんおう)の契り」からきているそうです。
中国の宋の時代、王に美しい妻を奪い取られた家来が自らの命を絶ち、それを知った妻も「同じお墓に入れて欲しい」と遺言を残して、亡くなります。
王はわざと二人のお墓を別にし、隣り合わせて作ると、それぞれのお墓から木が生えて、枝が絡み合うほどに成長し、いつの間にか、その枝にオシドリ(鴛鴦)が巣を作り、終生、仲良く寄り添って過ごした…。
・オシドリが目立つ羽色を持っていること。
・水辺で生息していながら、木の枝に巣を作ること。
・メスが卵を生むまで、オスがそばを離れない習性を持っていること。
これらの習性から、このような故事が生まれたんだと思います。
タイトルの「片おしどり」は、さだまさしさんのアルバム「夢の轍(2008年)」に収録されている楽曲。
湖畔の避暑地で孫とすごす女性が、戦争で先だった若い頃の主人の写真を見ながら、会いたいけど、自分だけが年老いてしまい、もう会えないと悲しみを噛み締めます。最後に夕暮れ時の湖畔にシルエットになった、オシドリが1羽泳ぐ姿を見つめるという歌です。
相方と暮らしている自身も、最近、ふと「独り」になった時のことを考えるようになりました。
相方は「あなたは、ハイエースで色々なところを旅して、家に籠もることはないから安心してるわ」と言いますが、「旅は(拠り所に)帰るからこそ旅」だといつも考えています。
この歌を聞くと、帰るところをなくして、一人ぼっちで海を眺める自分を想像します。
性格的には、一人の時間を大切に感じていますが、それ別としても、きっと寂しいだろうなと思います。
表面的な関係よりも長期的な深い関係を築きたい「INFJ気質」全開です。
65歳以上で一人暮らしの男女が増えています。
人間づきあいが決して上手いとは言えない自分からすれば、誰かと一緒に暮らしていることだけでも、奇跡的なことだと考えています。
みなさんの拠り所は、どこ(誰)ですか?