決める。
今日から6日間のアバターインテグレイテッドコースが始まった。
新宿から23時55分発の豊橋行きの夜行バスに乗る。
6日間のコースに備え、その日は朝から掃除、洗濯、荷造りを済ませ、昨日のレッスンで余った玄米で生米パンを焼き、近所のインターナショナルスーパーに貼るチラシをデザインしたり、何かと集中力を要する1日だった。
夜9時には集中力が切れ、体は睡眠モードに入ったのがわかる。
眠気に寝息を立てる体と共に、何冊もの分厚い講座用のテキストや、6日分のホテル暮らし用の生活グッズをパンパンに詰め込んだスーツケースを押して家をでた。
家のドアの鍵をかけながら、ふと「なぜ、私の現実は変わらないのだろう?」との疑問が頭をよぎる。
答えの出ない疑問は宙に浮いたまま、黙々と目的地の新宿バスターミナルに向かった。
「8A」という座席番号に心躍らせながら乗車するも、冷房がとんでもなく寒いことに気づく。
30度を超える残暑の中、座席に分厚い毛布が置いてある理由がわかった。
速攻で熟睡モードに入る体は冷房の寒気で目が覚めたようだ。
バックパックに入れておいた上着やストールを取り出し、空席の毛布を2枚重ね、早朝から始まる講座に向けて安眠する努力をした。
明け方だろうか。
バスの窓の外は土砂降りの大雨のような音がしている。
雨音に耳を澄ませつつ、
ふと、
「決めてないからだ。」
という答えが降りてきた。
そうだ、決めていないからだ。
同時に、現実が変わらない理由を外のせいにしていた自分も見えてきた。
「師事してきた先生が悪いから。」
なんと、自分が最高最善だと思って選んで師事した先生のせいにしていたのだ・・・!
気づきと共にバスは目的地に到着し、土砂降りの雨の中、バスを降りた。
天気予報を調べると、1時間後に小雨になるようだ。
まるで待ち構えていたかのような大雨は、これから始まる6日間のコースの暗示のようだった。