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地方の中小規模美容室開業例 -事業計画書を書く -
こんにちは。
群馬県前橋市の美容室 rela hair salonを経営しています羽鳥といいます
今日もこつこつと、自身の開業事例を綴っていきます
前回の記事↓
記事は遡って時系列で並んでいますので、もしご興味あればアタマから読んでみてくださいね。
起業を決め、おぼろげに決めたテーマ、ひとまず見合うと思わしき物件を定めたらいろんなことが具体的に決まってきます。
ここで、事業計画書の作成です。
_事業計画書_
以前の記事にこれのなんたるかはちょっと触れましたね。
起業して今後継続的に事業を進めていくとなると、度々作成することになるでしょう。それは再度融資を受けるときかもしれないし、補助金などのお世話になる時かもしれません。
状況によって中期的、長期的な自社の計画を、人様に分かりやすく伝えるためのもの、という解釈で良いかと思います。
ひとつ自分の計画書の雛型のようなものができていると、それ以降事業の拡大や変化を迎えたりするときに振り返りをしながら新たなものを作成するのにとっても役に立つのでオススメします。
当時の私が作った事業計画書ですが、まー今見直してみると粗削りで。
当たり前なんですけど、まだ起業前の人が書いた事業計画だなって感じ満載。
とはいえある程度、自身の今後の展望を前向きに、かつ具体的に捉えられているから融資の実行に漕ぎつけられたのだと思います。
以降そのひな形を使って数回、計画書を書く機会がありました。
やはり一度書いていると要領もわかるし、なにをどう具体的にすればいいのか、事業計画書を書くことそのものもそうだし、それを実行に移すアウトプットもスムーズになります。
開業の時点で事業計画書の立案を経験したことがある人などほぼいないはずなので、どんな風に作ってゆけばいいかを私の経験を踏まえて書いてみます。
具体性を記す
過去にスタートアップをサポートさせてもらった方々で、顕著にみられるよろしくない共通点がありました。
それは、「事業計画内容がとってもお気持ち論的になってしまっている」という現象です。
自分はこんなことをしようと思います、こんな気持ちを抱いています、一生懸命最善の努力をします、お客様に寄り添う事業をしますetc,,,
全体にこう書いてしまう気持ちは痛いほど分かるのですが、これで完結してしまっては計画書になりません。
事業内容が他者に伝わってこそ計画書を書く意味があるってもんなので、なにが大事かと言われたらそれは「具体性」でしょう。
誰が、どうして、いつ、どこで、どうやって、事業を成功に導くのか。
それが記されていなければ、根拠が薄ければ、他者の納得は得られません。
冒頭に書き綴った自分の気持ちを店舗にどう落とし込み、どんな風に働いて、誰を幸せにして、1年後、5年後にどうなっているつもりなのか?
その計画で競合ひしめく美容業界で顧客が獲得できるのか?
集客方法は?
ターゲットは?
価格は妥当か?
差別化はできているの?
少なくとも、開業当初の予想売上、目標売上は設定して、それを実現するためにはこの単価で何人集客したら良いのか、くらいはサラッといつでも答えられるような整理が望ましいと思います。
数字で明記できる具体性ははっきり評価されるので、その根拠と合わせて書いておきたいですね。
次いで、どんなお客様にご来店頂きたいか。
ターゲットの設定ですが、ここからが中小美容業の超重要ポイントになると思います。
このターゲットの設定と自身の提供価値にマッチングが果たされていないと、集客には大きなロスが生じ、かつリピートが困難になるであろうと思われます。
分かりりやすく極端に例えれば、顧客ターゲット設定は地域密着なのにバリューは若者向きのトレンドを中心に発信してしまう、とかですね。
地域密着を狙うなら幅広い年代に対応しているアピールをしなければならないし、トレンドを発信したいなら広域に働きかけなければならない。
起業当初の根底にあるターゲットの設定から肉付けしていく過程で事業そのものにちゃんとスジが通っているかどうかの最も大切な軸となるでしょう。
あるいは、自身の提供価値から逆算してもいいでしょうし、ここはかなり深堀りができるのであとで別記事として書きます。
加えて、立地性についても触れる必要があろうかと思います。
拠点となるエリアがどのような性質で、だからここを選んだという根拠を提示しておくと良いでしょう。市街地なのかベッドタウンなのか、居住者や往来はどのような人が多いのか?
この辺は国勢調査の結果などで調べればわかるはずなので、そんなことを盛り込むと説得力が高まるように思います。
これは私の体感ですが、金融機関や行政が計画書の中でしきりに重視しているように思うのが周知の具体的な方法です。
これも顧客ターゲットのニーズと一致しているのが望ましいので、いわば「自分の潜在顧客がどこにいるのか?」を分析しているとより具体的な方法が選択できます。
若者がターゲットなら共感を呼ぶようなSNSの広告が効率的だし、地域に呼びかけるなら折込チラシのポスティングなどでエリアを絞り込める。
当時の自分にも言ってやりたいですがw、無作為に散発的な広告をしても成果があがらず心が折れるので、いかに効果的な広告をなせるか、その具体的な方法は計画に入れるのがマストでしょう。
提供サービスがどんなに優れていたとて、それを知ってもらわなければ話にならない。数々の事業者を相手にしている機関が重視している項目であるということを意識して損はないと思います。
そして、自身の提供価値がなぜ選ばれるのか?自己分析から事業の強みの提示です。
まー日本人的とでもいうのか、これ苦手っていう方たくさんお会いしましたが、これは事業者として声高に語れるようにしておくべきではと思います。
同業者が鎬を削る状況にあって、どうしてうちを選んでくれるのか?そのサービスの差別化そのものに直結するからです。
冒頭で書いたお気持ち論ですが、特にこの部分がすごくそうなりがち。
一生懸命がんばりますとか、一人一人に寄り添います、とか。
そこらじゅうで連呼されている、ごく当たり前のフレーズでは当然差別化は図られず、そこから踏み込んで自社の特長を分かりやすく伝えるためのフレーズは用意しておけると良いですね。
最後に、マーケットの把握です。
現状の美容業界の状況や、トレンドの流れ、要するにニーズがどこにあるかを捉えておきましょう。
ここまでの内容を自分目線だけで書き連ねてくると、単純に自分がやりたい事ばかりを楽観的に事業に盛り込むような内容になりかねません。
なぜそれに取り組むのか?それはこんなニーズがあるからだと客観的に納得のいく計画にしなければならない。
美容業界のみならず、社会問題を背景にこういう需要が高まるはず、といった内容があることで事業そのものがよりクリアに見えるはずです。
と、ここまで概要をまとめてきましたが、次に私の10年前の事業計画書がどういった内容だったのかを交えて書いてみたいと思います。
はぁ、振り返って見るとなかなか稚拙さが目立つんですよねぇ、、、。
とは言えどなたかの参考になればということで、スタートアップのリアリティが伝われば幸いです。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
群馬県前橋市
『お客様の人生に寄り添う美容室』
rela hair salon
代表 羽鳥昌樹
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