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慢性疾患に特化した看護記録:糖尿病患者のフォーカスチャーティング【実習記録の書き方と例文】

糖尿病は慢性疾患の代表的な一例で、患者の生活全般に影響を与えます。そのため、看護実習で糖尿病患者を担当する際は、血糖管理や合併症予防など、患者個々の状況に応じた看護記録を作成することが重要です。

本記事では、**「実習記録」「書き方」「例文」**をキーワードに、糖尿病患者を対象としたフォーカスチャーティングの具体例と書き方のコツを解説します。


目次



1. 糖尿病患者の看護で重要な観察ポイント

糖尿病とは?

糖尿病は、インスリンの分泌量が低下するか、インスリン抵抗性が増大することによって、高血糖が持続する慢性疾患です。合併症には以下のようなものがあります。

  • 急性合併症:低血糖、高血糖性昏睡

  • 慢性合併症:糖尿病性腎症、神経障害、網膜症

観察のポイント

  • 血糖値の管理(空腹時血糖、HbA1c)

  • 合併症の兆候(しびれ、視力低下、浮腫)

  • 食事摂取状況(摂取カロリー、食事時間の遵守)

  • 運動の状況(運動の頻度、持続時間)

  • 服薬のアドヒアランス(内服薬、インスリン注射)


2. フォーカスチャーティングの概要と活用方法

フォーカスチャーティングとは?

フォーカスチャーティングは、患者の特定の問題やケアに焦点を当てた記録方法で、以下の4つの要素で構成されます。

  • D(データ): 患者の状態や観察結果

  • A(アクション): 看護師が行った具体的なケア

  • R(反応): 患者の反応やケアの結果

  • P(計画): 今後の看護計画

フォーカスチャーティングを使うメリット

  • 患者個別の課題にフォーカスして効率的に記録できる。

  • 時系列で患者の状態変化を把握しやすい。


3. 記録作成の流れとフォーカスチャーティングの具体例

記録作成の流れ

  1. 情報収集
    血糖値や患者の訴え、観察データを収集。

  2. フォーカスの設定
    血糖コントロール、合併症予防、患者教育など、重点項目を決定。

  3. チャーティング
    フォーカスに沿ってDARPを記録。

【例文】糖尿病患者のフォーカスチャーティング

フォーカス:血糖コントロール不良

D(データ):

  • 空腹時血糖値:220mg/dL

  • HbA1c:9.2%

  • 患者は「最近忙しくて食事が不規則」と話す。

  • 足のしびれを訴え、視力の低下も感じている。

A(アクション):

  1. 血糖値測定を指導し、毎日朝食前に記録するよう説明。

  2. 管理栄養士と連携し、食事内容の見直しを実施。

  3. 足の観察を行い、傷や炎症の有無を確認。

  4. 糖尿病性網膜症のリスクについて、眼科受診を勧める。

R(反応):

  • 患者は血糖測定の必要性を理解し、指導内容を実践する意欲を示した。

  • 足に異常は認められなかったが、「気をつける」と述べた。

P(計画):

  1. 血糖測定の記録を1週間後に確認。

  2. 栄養指導の効果を観察し、食事摂取状況を継続的に評価。

  3. 合併症のリスク評価を定期的に実施。


4. 記録作成でよくあるミスと改善方法

よくあるミス

  1. フォーカスが広すぎる
    「糖尿病の看護」といった抽象的なフォーカスでは具体性が欠ける。

  2. データが曖昧
    「血糖が高い」と記載しても、具体的な数値や患者の主観的データが不足している。

  3. 反応や計画が不十分
    患者の反応が記録されておらず、次の計画が漠然としている。

改善方法

  • フォーカスを明確に設定
    「血糖コントロール不良」や「合併症リスク増大」など、具体的な問題を設定。

  • データを具体的に記録
    血糖値や患者の主観的訴えを詳細に記載。

  • 次の計画を明確化
    看護師や患者が次に取るべき行動を具体的に記載。


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まとめ

糖尿病患者の看護記録を効率的かつ正確に作成するために、フォーカスチャーティングを活用することは効果的です。この記事で紹介した記録の書き方や例文を参考に、実習での記録作成をスムーズに進めてください。特に糖尿病患者の場合、血糖値や合併症リスクに注意を払いながら、患者個々の状況に合った記録を心がけましょう。

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