ぼうふら踊 (花園千鶴子)。
世はすっかりゴールデンウィーク。私も今日から帰省しておりますが、もうじきカエルの合唱の季節です。そして雨も多くなり、静かに夏の足音が聞こえて来ますね。さて夏と聞いて思い浮かぶのが、いや〜な羽音を響かせては血を求めて寄って来る『蚊』。その幼虫こそボウフラですが、それを題材にした童謡が「ぼうふら踊」です。鹿島鳴秋作詞、弘田龍太郎作曲で、大正8年夏に書かれました。もちろん此の花園千鶴子の歌うレコードは、大正年間ではなく昭和に入ってからの録音です🎼。
お寺の溝(どぶ)の、ぼうふら達は
朝から晩まで、ふらふら踊り
いたずら子坊主、お経を読めば
溝ではぼうふら、負けずに踊る
此の二行詩形の歌詞を二回、つまり四コーラス歌われています。お経に合わせてボウフラが達がクネクネ踊る光景は、シュールでもあり可愛いらしくもあり。短調のメロディを花園が可憐な声で歌いますが、伴奏は何処か曇っていて怪しげな感じです。関西レーベルにありがちなネットリした雰囲気ですが、そこがまたジメジメした夏の曇り空みたいで、程よく歌の世界にマッチしています。カップリングも同じく花園が歌う「靴が鳴る」で、レコードは昭和7年初夏頃に発売されました😀。