「ミュージック・アルバム主題歌」(三浦時子・葦原邦子)。
三浦時子と葦原邦子と宝塚花組生徒連による「ミュージック・アルバム主題歌」。復刻盤では「青春の歌」と記載されております。レコードラベルには白井鐵造作詞、河崎一郎作曲とありますが、実際は外国曲で元歌はドイツの作曲家のウェルナー・リヒアルト・ハイマンの書いたレビュー「モナコ王子の結婚」の主題歌でした。ハイマンと言えば「会議は踊る」の“ただ一度の恋”や「狂乱のモンテカルロ」の“マドロスの恋”を描いており、それらは日本でもカバーされて大ヒット。ドイツでも指折りの人気作曲家でしたが、ユダヤ系であった為に台頭して来たナチス党に追われ、アメリカへと移住しました。その後も「ハッチャチャ」がヒットして、引き続き映画音楽家としても活躍を続けるのです🎼。
「青春の歌」は二番構成で、華々しいファンファーレからスタート。一番を三浦、二番を葦原が歌っております。タキシード姿で着飾った男装の麗人らが、ステージ所狭しとスタイリッシュに決めて舞っている様が浮かびます。「ミュージック・アルバム」は白井の自信作であり、かの「花詩集」の姉妹編として企画され、花組と月組が交互に演じました。最初は地元の宝塚大劇場で昭和11年1〜2月に、続いて東京に移って3〜4月に上演されました。此の演目では他に久美京子の「恋、ばらの花か」や、三浦時子の「何故?何故?」に、草笛美子の「アルミタ」などの外国曲が宝塚風に編曲されて歌われています。計六曲三枚のレコードが舞台の公演に合わせ、昭和11年初頭に発売されました😀。