秋の銀座 (ミス・コロムビア)。
季節は早くも10月も終盤となり、いよいよ晩秋へと入ります。個人的に一番好きな季節でして、歌ならタンゴやシャンソンがよく似合いますし、序でに言えば今日は私の誕生日なのです。それは兎に角、今夜は秋に相応しいナンバーから、ミス・コロムビアの歌う「秋の銀座」を。久保田宵二作詞、江口夜詩作曲で、一曲毎人気が上がっていたミス・コロが放った大ヒットです。本名松原操、当時の彼女は東京音楽学校最終学年在籍の生徒でしたが、教材用の模範歌唱盤吹き込み等でコロムビアに出入りした事からお誘いがあり、目を隠して覆面歌手として売り出す事に。早くも「十九の春」がホームランとなり、続いて「きまぐれ涙」「夜風の旅」も好調でした。明瞭で上品な歌声は多くのファンを獲得し、また同時入社の江口夜詩の楽曲と相性が良いのも幸いだったと言えるでしょう🎼。
「秋の銀座」は、売れっ子として認知され始めた頃の江口の自信作の一つ。ブルースの旋律が用いられており、マイナーテンポの沈んだ感のある歌です。ミス・コロはやや低音でマイクに向かっており、抒情的な歌詞を呟く様に歌いました。伴奏はジャズバンドの面々が参加したと思われ、トランペット、バンジョー、サックス、バイオリン、ピアノなどが銀座の秋模様を奏でております。🎵秋の銀座は柳散る…の箇所に流れるピアノの入れ方など、実に上手い編曲と感心するばかり。ブラス陣の音色も街角に迫る夜の帷を思わせ、華やかなれど日暮は何処かもの悲しい大都会の姿が歌を通して伝わります。さて、銀座の歌では少し前にビクターから四家文子の「銀座の柳」が出て、大ヒットを記録していますが、コロムビアも此の「秋の銀座」で反撃し、またもホームランとなりました😀。
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