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りぼんむすめ (渡邊はま子)。

遂にと云うか、或いはやっとと云うか、渡邊はま子のコロムビア時代オンリーの2枚組アルバムが先月リリースされました。これまでも彼女のアルバムは多数ありましたが、ビクター→コロムビア→ビクターと専属先が二度変わったのと、目玉になるヒット曲が双方に分かれていた事もあってか、どうしても企画側優先か有名曲中心のラインナップになる事が多くありました。今回はコロムビア時代(昭和13〜25年)の楽曲を掘り下げている事もあり、未復刻曲や企画別のオムニバスアルバムに分散収録された曲も入ると云う、大変有り難い内容になっております。彼女はその知名度に関わらず、大全集が存在しませんでした。まして今はCDが売れない時代ですが、その只中にあって2枚組でも此の様な復刻盤が出たと云う事は、一懐メロファンとしても大変嬉しく思う次第であります📀。

前置きが長くなりましたが、彼女のコロムビア時代の一曲「りぼんむすめ」。佐藤惣之助作詞、古賀政男作曲で、渡邊はま子が歌った古賀メロディ第一号であり、勿論今回のCDに収録されております。彼女が移籍した昭和13年秋に古賀はカムバックしたのですが、直後に外務省音楽親善大使として北南米大陸長期出張の旅に出た為、本格的な復帰は帰国後の昭和15年となりました。「りぼんむすめ」はその内の一つで、可愛いらしいタイトルながらもメロディは陰旋法の素早いテンポになっております。歌詞は港町の埠頭に暮らす、リボンの似合う娘さんが主人公ですが、自局柄か恋愛に結びつく様な単語は極力控えられていて、三番には“深空のスバルに御無事を祈る…”と、出征する兵士達を気遣うような歌詞が現れるのも、日々厳しくなる内務省の検閲を通す為の措置だったのでしょう😀。


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