麻雀行進曲 (南地若登美)。
南地若登美による新小唄「麻雀行進曲」。英草花作詞、近藤十九二作曲で、麻雀をテーマにした流行歌では最古の部類に入るかと思います。此の歌は大昔読んだ「写真で見る昭和の流行歌」と云う本で紹介されていましたが、SP盤を手に入れたのはかなり後の事です。秋田登(黒田進=楠木繁夫)がジャズバンド伴奏で入れたバージョンなら、嘗て出た彼のLPで聴いており、若登美のも音だけならありましたが恐らくこれは違うテイクの様でして、若干テンポが早く聴こえて来ます。中国から伝来した麻雀ですが、当時はまだ現代の様に誰でも気軽にやれると云うものではなく、比較的にお金に余裕の有る人々の嗜みだった様です。今も昔も麻雀に強いと云うのも一つのステータスだと言えるでしょう🀄️。
「麻雀行進曲」は計四番構成で、三味線や太鼓をバックに歌われております。昔の流行歌にはよく有りがちな七・五調の定型詩ですが、言葉運びが秀逸であり、歌詞を読むだけで聴きたくなる様な魅力を持っています。
♫妬み深そうなリューファの姿、ポンは浮気な心から、ポンポンほんの、浮気から…。
七、七、七、五、七、五、と云う歌詞配列ですが、実に乗りやすいと云うか、上手く言葉を当てがったというか、これだけで私は此の歌に惹きつけられました。歌う南地若登美はコロムビア関西支社の所属で、大正時代は金龍と名乗ってオリエント等にも録音を残しています。裏面は秋田登の「名優小唄」ですが、コロムビア黒盤では同じカップリングで歌手を入れ替えて録音され、レコードは共に昭和5年夏の発売でした😀。