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萬歳『君は兵隊?』 (横山エンタツ・花菱アチャコ)。

ご存知、横山エンタツ&花菱アチャコのしゃべくり漫才「君は兵隊?」。二人は戦前戦後と大活躍した漫才師、お笑いの世界では東京のエノケンやロッパに対する西の雄だったのです。しかしながら両名が人気漫才コンビとして組んだ期間は意外や短く、4年にも満たない歳月でした。吉本の売れっ子として東京に進出し、新橋演舞場などで観客を大いに笑わしていた最中、アチャコの中耳炎が悪化。帰阪して長期入院した為にコンビ解消やむなしに至り、エンタツは代わりに杉浦エノスケを相方に選ぶ事に。復帰したアチャコは千歳家今男をパートナーにし、また劇団を旗揚げするなどして、寧ろ戦後はエンタツ以上の大活躍を見せました。ただし映画では相変わらずエンタツ&アチャコとして出演したせいか、二人のコンビはずっと継続していると思った人も多かったに違いありません🎙️。

「君は兵隊?」は、エンタツが入営していた頃の思い出をアチャコが聞き出すと云う内容です。徴兵制度があった当時、世間の男性にとっては入営生活は学生時代の思い出同様に共感を得るテーマでした。針を下ろすと、アチャコの健康自慢から始まります。アチャコはクジ逃れで徴兵をパスして少々残念だと云うのですが、エンタツは細身ながら入営生活を送り“国民の義務を果たした”と自慢します。大阪の陸軍歩兵第四師団に属して、しかも大尉にまでなったと吹聴するのですが、段々と話が怪しくなって行き、何故か「陸軍じゃなくて海軍だった…」と素っ惚けて脱線すると云う流れ。それまでの漫才、砂川捨丸や捨次の其れとは違う、もっとスピーディなボケとツッコミの張り合いが実に面白く、今の漫才のスタイルが確立されている点に驚きです。レコードは昭和9年に発売されました😀。

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