仰げば尊し (櫻田小学校児童)。
3月と言えば卒業式のシーズンです。高校は初旬、小中学校は大体中旬に行われておりますが、高校が比較的早いのは卒業生らの4月からの新生活の為の準備期間の確保の為、また新入生受け入れの準備や教員らの異動の都合もある様です。因みに私が小学校を卒業した日は3月19日で、とても暖かい金曜日の午前中でした。前置きが長くなりましたが、卒業生達の合唱曲として有名なのが「仰げば尊し」です。古く明治17年に伊沢修二が監修して文部省唱歌に制定され、以来長きに渡って卒業生達から恩師達への感謝を伝える歌として愛唱されました。作詞作曲者不明となっておりますが、近年の調査ではアメリカの古曲とされており、また讃美歌の一つであると云う意見も存在します。ホ長調三番構成のスローワルツで、覚え易く歌い易い旋律なのも普及した要因と言えるでしょう🎼。
卒業式の定番曲だけに「仰げば尊し」は、教材用から商業録音まで含めると、到底把握出来ない程の量の録音が存在しておりますが、此処に挙げたのは櫻田小学校児童によるバージョンです。5、6人の男女合唱になっており、伴奏はピアノとフルート、あと吹奏楽器が少しだけラストに出て来るのですが、音質があまり良くないので判別出来ません。この櫻田小学校とは、現在の港区にある御成門小学校の前身ではないかと思われますが、詳細は分かりません。また原盤番号が70000番台なので、統廃合された関西のヒコーキレコードでの録音と云う可能性も。聴いた限りでは模範的な歌唱であり、卒業記念盤ではなく教材用に制作されたものかと思われます。いずれにせよ、変声期前の子供達の可憐な歌声であり、100年近く昔の録音ながら聴く人の胸を打つ素晴らしい出来映えでした😀。