調査報告書＃２６：鴨川という場所

　皆さん歴活してますか？
歴史探偵Qです。

久しぶりの更新です。
今回は京都の「鴨川」です！

夏の京都…鴨川での納涼川床で日本酒なんて
大人な時間ですよね。
そんなおしゃれで大人な鴨川ですが
京都の歴史において重要かつ時代によっては
結構凄惨な出来事が起きています。

ちなみに皆さんは「鴨川」と聞くと
どのようなイメージをお持ちでしょうか？

私はやはり推し武将である「秀次一族の処刑」が
行われた三条河原がある場所というイメージが
あります。

京都においての鴨川はどのようなものなのか
いろいろな話を交えながらご報告したいと
思います。

■鴨川の歴史
　鴨川は流域面積：約207，7㎠、長さ約33キロにわたり京都の中心部を貫くように
流れる川です。
歴史も深く、平安京へ遷都する際に
深く関わっており「神聖な川」として
重要視されていましたが…

なんせ暴れ川であったと言われています。
現在は、護岸工事によって穏やかな川という
印象を受けますが平安時代での鴨川は
現在の流域面積の２倍以上あり頻繁に氾濫を
起こしていたという記録が残っています。

しかし鴨川はマイナスの面だけではなく、
プラスの面も持っていました。
平安京遷都以降、「神聖な川」として人々の
生活や祭事に使用され、身近ながらも
神々しいものでした。
その例として、京都の人々は鴨川の水質を
保つため狩猟後の獲物の血抜きを禁止
したりするなど住民の飲料水などの
生活用水として環境保護がされていたとともに、京都には珍しく広大なスペースが
あったので飲食店や芝居小屋が立ち並び
能のや歌舞伎の文化の出発点となりました。

鴨川は崇められていただけでなく、
地域住民の生活も支えていました。

■鴨川はなぜ処刑場になった？
　上記では鴨川が地域住民の生活に
密着してきたかお話しさせていただきましたが、ここでは負の歴史と言いますか権力者に
利用された歴史を紹介させていただきます。

　鴨川の処刑場として有名なのが
「三条河原」と「六条河原」です。

ではなぜ、この場所が選ばれたのか…
明確な理由はわかっていません。
しかし、理由を推測すると処刑場としての役割が関わってきます｡
まず、処刑する意味は「見せしめ」という
役割が大きいと考えられます。
江戸時代以前の日本では罪人の処刑は
広く公開されることが一般的だったそうです。

　そこで白羽の矢が立ったのは「三条河原」です。
三条河原周辺は東海道終着の地である、
「三条大橋」があり古来より人々の往来があり、
見せしめ・話を拡散させるには丁度いい場所で
あったということなのです。

また、京都には珍しく広大なスペースが
あったこともあり処刑場兼遺体置き場として
利用されていたのです。

「六条河原」もほぼ同じような理由で
利用されていました。

▪️処刑された歴史上の人物
・石川五右衛門
　戦国時代に実在した盗賊。創作の話で
息子ともども油釜で釜茹でされたという話が
有名ですよね。

・豊臣秀次と一族
　豊臣秀吉の甥で関白になった人物。
明確な理由はわかっていないが、謀反の疑いを
かけられ謹慎、のちに高野山で切腹した。
その後、三条河原で一族40人が処刑され処刑後、
秀次と一族の死体は河原に埋められその上には
「畜生塚」という犬猫以下の存在であるとして
世間に見せしめを行いました。

・石田三成、小西行長、安国寺恵瓊
　関ヶ原の戦いで西軍の中心人物であった
この3人は六条河原で処刑後、三条河原に
首が晒されました。

・近藤勇
　江戸時代末の京都で治安維持を目的として
結成された剣客集団「新選組」の局長として
活躍した人物。
近藤勇は板橋で処刑されたのち、
京都まで首を運び
三条河原で晒し首となりました。

▪️まとめ
　京都という華やかな都に「鴨川」という歴史の
表と裏が似合うと思うのは私だけであろうか。
平安京の時代から人々の生活を支えていた鴨川。
人間に必要な水を与えてくれた川でありながら
雨で川が氾濫するなど被害も与える。

多くの人が往来、商品や情報が集まる鴨川周辺。人が集まるから見せしめに丁度いい鴨川。

歴史の無情さと逞しさを感じました。
また、来年京都へ行ったときは以前と違った
鴨川の姿を見るであろうと私はそう思います。

以上
調査報告終了