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ビートルズ解散か!?緊急卒業式、開催──「或る歴史と或る耳と」RS編30週目を終えてのレビュワー座談会:特別編

 ローリング・ストーン誌「史上最も偉大なアルバム500」のランキングを年代順に聴き、数人のレビュワーが感想を残していく企画「或る歴史と或る耳と」。今回はその特別編として、ここまで100枚の名盤を評してきた参加メンバーたちが集合し、雑感やアルバムへの思いを語った座談会の様子をお届けします(参加メンバーのうち、「桜子」「みせざき」は日程の都合により不参加)。

4人はアイドルだから

湘南ギャル:あれ、ビートルズの話は?

The End End:そうだよ。『Let It Be』まで取り上げたし、ビートルズ卒業式をやろう。

しろみけさん:いや……ジョージくんが良かったから……私はそれでもう……。

The End End:わかる。結局「Something」ばっかり聞いてるもんね。

しろみけさん:いやでもぉ、誰かの成長というより、4人の……お互いがお互いを見てるってのが好きなんだなと……。良い曲を作るバンドではあるんだけど、それ以上に4人はアイドルだから。この無様に、グチャグチャになる感じが……どうなっちゃうの……。

湘南ギャル:当時のジョージはアルバムに2曲しか入れられないことになってたって。悲しい。

しろみけさん:4人の幸せを願うか、"ビートルズで見たかったな"っていうのを言うのか、どっちが正しい態度なのか、ちょっと未だにわからない。

渡田:僕未来から来たんだけど、ジョージくん楽しそうだよ。ほら。

しろみけさん:誰これ!?

渡田:ブラックブラックガムみたいに光ってるよ。

しろみけさん:私の見てる4人は裁判の途中なんだから!係争中なんだから!

The End End:ポールは既に死んでるっていう話もある。

しろみけさん:ポールは裁判所にいるんだから!

渡田:まぁまぁ、未来から来たけど、ジョージくんのこと以外は聞かない方がいい。

しろみけさん:どうなっちゃうの……!?

🦊問題|MC5にかどわかされて

The End End:映画の『ザ・ビートルズ: Get Back』を観たら、ジョージがバンドを抜けるかどうかスタジオで話してて、ジョージが"1人でソロアルバムを作りたい"って言った時にオノ・ヨーコが"いいアイデアね"って言ってて。別にジョンの味方なだけじゃないのが面白かった。

湘南ギャル:ヨーコのことはどう思ってるの?

しろみけさん:楊貴妃というか、あの小娘……私の質問箱とマシュマロにはめちゃくちゃ悪口きてるからね。

湘南ギャル:横の矢印で→とかでね、検索避けして。

The End End:ヨーコ→妖狐で🦊の顔文字とかかもしれない。

しろみけさん:ホワイト・アルバムとかでヨーコがシナジーをある程度生んでいた部分はあるんだなって。いい意味で作品にフィードバックされてたから、許容範囲というか。しかもジョン推しじゃないから、まだ良かったんだけど、こうなると話は違ってくるよね。うん、でも、いや、でも、なんか、でも、やっぱり応援したい。というか、まだ裁判中じゃん? 解散するかどうかわかんないし、解散しても、一回くらいは再結成するよね!

和田醉象:新曲も3曲くらい出そうな気がするね。人工知能の力とかも使って。

The End End:どうしてジョンはあんなに歌い方がしつこくなっていくんですかね。「Don't Let Me Down」とか。「Oh! Darling」のポールもそうだし、なんかみんなやりすぎてますよね?

六月:ラリってるのかな。

和田醉象:この頃捕まってるしね。

しろみけさん:でもそれで振り回されるのも嫌いじゃないっていうか。それで新しい推しを見つけようとしたところにMC5が出てきて。でも、MC5にちょっとかどわかされたのが、なんか、自分のなんか心の弱さっていうか……。

The End End:うるさっ。

六月:ずっとうるさいな。

しろみけさん:かどわかされるにしても、この子たちなのかな……。うん、まぁとりあえず、ジョージくんはこれからもいっぱい曲を作ってくれるだろうしね、コンサートにも行くよ。

『Let It Be』はエクストラ

六月:好きでも嫌いでもないんだけど、『Let It Be』はスピード感がないよね。

湘南ギャル:わかる。この後話す嫌いなアルバムの話題でも『Let It Be』出そうかと思ったもん。

六月:色々いわくつきのアルバムで。オリジナルはフィル・スペクターがプロデューサーとしてだいぶ手を入れていて、その元になったやつをみんな聞きたがっていたらしいんだよね。それで、最初にミックスする予定だった人のミックスがスーパーデラックス版としてでたんだけど、全然良くなかったっていう。これが新作だったら酷評されてたんだろうなって思う。

和田醉象:グリン・ジョンズのミックスだね。

六月:そもそも、『ザ・ビートルズ: Get Back』を観たら、最初から無茶な企画っていう話で。新作はライブ・アルバムかつ全曲新曲にしようとしたんだけど、3週間くらいで12~3曲作るっていう無茶なセッションにしようとしてたらしいんだよね。有名な「Hey Jude」の映像も久しぶりに人前でやる機会だったらしくて。その計画が完全に失敗して、有耶無耶なままルーフトップ・コンサートになるっていう。

しろみけさん:いや、4人さえいれば……てか、みんな『Abbey Road』はどうだったの?

湘南ギャル:めっちゃ好き。今まで色々変なことをいっぱいやってきたビートルズが、『Abbey Road』ではその要素をちょっとずつ持ってきてて。ビートルズってこういう感じだったなっていうのをすごい思うんだけど、『Let It Be』は、みんながほんのり知ってる昔のバンドみたいで。教科書に載ってるビートルズ、みたいな。すごい有名でいい曲ですよね、「Hey Jude」とか感動しますよね、みたいな感じがちょっと押し付けがましくて。『Abbey Road』だけで終わってくれたら美しかったのに。

The End End:私はあんまりビートルズ自体に思い入れがないからこそ、『Let It Be』にも『Let It Be』なりの楽しみ方があると思ってて。もし、『Abbey Road』が出て、そのままビートルズが解散して、 "実は『Abbey Road』の前に録ってた、アルバムにするつもりだったセッションの録音がいっぱいあるらしい"って噂になって、そのまま現代に至ってたら、全員が"出せよ!"って言うと思うんです。

湘南ギャル:それはそう。絶対に言ってる。

六月:ブートレグが出回りそう。

しろみけさん:しかもそのブートレグの中にあんな曲があったら衝撃だと思う。

The End End:だから成り立ちを知った上で、『Abbey Road』でバンドが終わった後のエクストラが『Let It Be』だと思えば楽しめるんじゃね?っていう。YMOで言うところの『サーヴィス』ですよね。

しろみけさん:あれは4人が私たちに見せてくれた最後の幻想(ユメ)なのね・・・。

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ビートルズ先輩、本当にお世話になりました。後編ではメンバーのピンとこなかったアルバムについてお話ししていきます。


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