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★読書感想Vol.2(2020/04/27)★
2.「ナチスの財宝」(講談社現代新書)
著 者: 篠田航一 ※敬称略
出版社: 講談社
発行年: 2015年5月20日
価 格: 800円(税別)
リンク先: 講談社現代新書
※一部、本書の本旨に触れている部分もあるかと思われます。ご容赦ください。
<概要> ※下記概要内のリンク先はすべて「Wikipedia」です。
第二次世界大戦でナチスに略奪された数々の美術品等の行方に関する内容です。
中心に扱われているのは、本書の帯にも載っている「琥珀の間」の存否や行方です。本来の所有者であるソ連だけでなく東ドイツや西ドイツも大きな関心を持って捜索していたとのことです。またそのほかに、ユダヤ人から強奪した美術品や金塊等の財宝、戦後に逃亡したナチス党員などの行く末についても言及されています。
著者が独自に調査・研究して、それらの財宝の行方について、自説を展開しているのではなく(もちろん著者も独自の調査などをされています)、むしろ、それらの財宝の行方を追っている人々、財宝の略奪・隠匿に係わった人やその他の関係者への取材を連ねることで、これらに関する様々な社会事情や歴史背景を描いた構成になっていると思われます。
最後に、ヒトラーの幼年期のエピソードが述べられ、著者はそこから第二次世界大戦での凄惨な出来事に思いを馳せていますが、その著者の心情が、ナチスの財宝に関する取材や調査を通じた、本書の本旨なのかもしれません。
<雑感>
上記概要でも触れましたが、著者の自説の展開が主ではなく、様々な関係者への取材等を通じて「ナチスの財宝」について解説されていると思われます。ある種、ルポタージュのような体裁にもなっており、この辺は、大手新聞社のジャーナリストならではの文体と構成ではないかと感じました。
購入して良かったと思いました。
※内容は「2015年7月6日第二刷」に基づいております。