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増えている商用利用できる文化財デジタルコンテンツ

先回は「JAPAN SEARCH」というサイトの紹介をしました。
文化財のデジタルコンテンツを所蔵施設単位ではなく、横断的に検索できることを紹介しました。ただそれだけだと、「だから何なの?」、「専門家のツールにすぎない」と思われる方がほとんどだと思います。そこで、一般の方が使えるツールとして紹介を試みたいと思います。

ところで、文化財の画像の利用でハードルが高いと思っていませんか?
冊子やチラシに文化財の画像が自由に使えたらなと思いつつも、利用申請が面倒、使用料が高そうといったイメージあるように思います。結局は、使用をあきらめるということが多いのでないでしょうか。

実際に画像利用にあたりハードルの高い文化財は多く、申請してもなかなか許可が下りないというのはよくあります。

また、許可が下りても高価というパターンもあります。例えば、高知県立坂本龍馬記念館では、坂本龍馬の肖像写真について、5,400円を支払えば、商用も含めて自由に使用することができます。

この使用許可サービスが開始された当初は、5,000円払えば自由に龍馬の写真が使えると話題を呼びました。簡単に使えないものが、使えるようになったということや、大河ドラマ「龍馬伝」の影響もあり、5,000円でいいのか!となりましたが、いま冷静に考えると、ちょっと高いような気もします。

このように、利用許可で出ない、許可が下りても高いというイメージのある文化財の画像ですが、昨今、利用環境はめまぐるしく変化しています。というのも、所蔵施設に許可なく、無料で使える文化財の画像が増えているのです。

例えば、この記事の表紙画像に提示している「真田幸村」が描かれた『関ヶ原合戦絵巻』は、国立国会図書館所蔵の絵巻物ですが、無償で利用可能です。最低限の利用のルールとして、文化財名と所蔵施設名を入れることさえすれば、国立国会図書館に断りなく、使用料を支払うことなく使用することができます。

しかもこの文化財は、商用利用も可のため、幸村を切り抜いてグッズにして販売することもできます。商品づくりに文化財の画像が使えるとしたら、一般の方も少しは文化財に関心が持てるのではないでしょうか。

ただ、どの文化財が商用利用できて、どの文化財が申請が必要だったり、使用料が発生するのかがわかりにくいですよね。フリーだと思って使用したら、申請が必要で使用料や罰金が課せられたなんて損なことはしたくないですよね。

商用利用できる文化財なのかを見分ける方法を次回以降の記事で紹介したいと思います。

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