アヘン戦争の衝撃(1840-1842)
「大国清が負けただと!」
老中首座の水野忠邦は、そうつぶやくと、考え込んでしまった。
人口3億5千万の中国の大国清が、人口1千万の国イギリスに負けたのだ。イギリスは、植民地であるインドを経由して、2万の軍隊を清に送り込んでいた。地球の裏側から戦争を仕掛けて勝利したのだった。
「戦争になれば、この国は負ける。」
水野忠邦は、賢明にもそう悟ると、次の手を考え始めた。
人、武器、弾薬、食糧を大量に消費する戦争を、地球の裏側から仕掛けて勝利することはあり得ない。これが、それまでの常識であった。
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歴史は、人間が創るドラマです。特に、幕末はたくさんの英雄が出てきます。そんな時代とその時代の人たちを小説にしたいと思いました。