歴史研究721号を刊行いたします
2024年6月末に『歴史研究』721号を刊行いたします。
本号の特集は、「暗殺――闇に葬られた政治権力」です。
暗殺は、辞書の意味では「やみうち」のことで、不意に相手を襲ってその命を奪うこととされています。
非合法的な行為であることはもちろんですが、個人的な動機はもちろん、政治的な計画などさまざまな暗殺事例が日本史上でもみられ、現在そして世界でも暗殺は行われています。
暗殺はどうして起こるのでしょうか。
本特集では、皇位継承を巡る古代の〝王殺し〟、島津家久、坂本龍馬、赤松小三郎など古代から近現代までの暗殺事例をとりあげ、暗殺の諸相、暗殺の実行犯と背後関係、防止策、思想史・歴史的な意義などを最新研究で捉え直しました。
また、勝海舟、会津藩士・山本覚馬などの暗殺を免れた人との違いはどこにあったのかも検討いたしました。
改めて暗殺の歴史を捉え直すことが、現代社会を生きる人々にとって、平和で公正な社会の構築にはなにが必要なのかを考え直すきっかけとなるかもしれません。
ぜひお手にとってお読みください!
https://www.ebisukosyo.co.jp/item/734/
【目次】
カラーグラフ 日本史のなかの暗殺
復元模型を歩く 当時のおもかげをのこす屋外展示場「浦安のまち」 浦安郷土博物館
城郭修覆図を読み解く⑵ 米子城絵図
歴史ジオラマのせかい 小倉城
武士の美 家康に重用された戸田康長の当世具足
巻頭随想 いま、伝えたいこと
洋画家の描く『古事記』の神話・伝説 所 功
特集 暗殺――闇に葬られた政治権力
「暗殺」――日本史学からのアプローチ 岩下哲典
暗殺から古代日本を考える 上村正裕
島津家久は毒殺されたのか 桐野作人
なぜ龍馬は暗殺されたのか 小林哲也
勝海舟が暗殺されなかったのはなぜか 和田 勤
薩摩藩士に暗殺された上田藩士赤松小三郎と暗殺されなかった会津藩士山本覚馬のちがい 岩下哲典
新発見! 文化財ニュース 編集部
研究ノート
幕領における代官陣屋 西沢淳男
研究の窓
足利義政と「室町」・将軍御所 木下昌規
歴史小説 『相照』 第2回
過ぎる日々 小栗さくら
文化教養講座 歴史の質問帳(第31回)
街中にある仏堂の謎 渡邊洋一
城郭修覆図を読む 第2回
米子城絵図――大・小二つの天守を描く城絵図の謎 神山 仁
大和王権と古代氏族 第25回
赤染氏の職務とその後 松尾 光
学生招待席
古代中国における食事の再現とその考察 吉田 煌
史談往来
【掃苔行脚】四十七都道府県幕末維新掃苔録明治の警察官となった新徴組隊士たち――あさくらゆう先生への追悼を込めて① 河内貞芳