![データサイエンスの祭典_アイディア_コンテスト_受賞者インタビュー__3_](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18486863/rectangle_large_type_2_9af5ee63b1922dcec420b29b1b3f2fc7.png?width=1200)
【データサイエンス×未経験ママ】優勝アイディアができるまで
2019年3月22日、データサイエンスの未来を想像する祭典 WiDS TOKYO @YCU と冠して開催された第一回シンポジウム。その中で、世界に通じる日本発のアイディア創出を目的としたコンテスト『アイディア・チャレンジ2019』が行なわれ、「新しい働き方」をテーマにしたデータ活用のアイディアが多く寄せられました。
本記事では、当コンテスト学生の部でみごと最優秀賞を受賞し、Rejouiでインターンとしても働いている上矢莉子(かみやりこ)さんにフォーカス。
アイディアが生まれたきっかけや、上矢さんが理想とする『はたらく仕組みづくり』について、ディレクターの見並(みなみ)がインタビューしました。
*WiDSとは
Women in Data Scienceの略称。米国スタンフォード大学を中心に2015年から始まったジェンダーを問わずデータサイエンティストを奮起させ、教育し、この領域の女性をサポートすることを目的とした世界的な活動。
各国のアンバサダーを通じ、世界の150以上の場所で地域シンポジウムが開催されている。
2020年は3月17日に広島、18日に東京での開催が決定しており、各日にてアイデアコンテストを開催。現在エントリー受付中。
事前ワークショップも複数開催予定です。(HPにて随時公開)
優勝アイディア “未経験のママを『デーサイ主婦』に”
見並:
この度は、受賞おめでとうございます。コンテストに応募された企画『デーサイ主婦』とはどのようなものですか?
上矢:
ありがとうございます。この企画は、『働くお母さんをデータサイエンティストにしてしまおう!』というものです。
まず、日本は他国に比べてデータサイエンティストが少ないという現状があります。また、”国内の育児休暇中の女性はスキルアップ志向が高い”というデータがあり、その2つに目をつけました。
もしかして、データサイエンティスト不足を救うのは、働くお母さんではないのか?という仮説が生まれました。
見並:
世の中で問題とされる2つのテーマを組み合わせたんですね。素晴らしい着眼点ですね。企画の目指すところはどのようなものだったんでしょうか。
上矢:
『企業側が柔軟な考えを持つことで、働く人すべてがその人に合ったスタイルでの労働が可能になること』を目指しました。情報収集として、働き方改革に成功した海外の事例なども参考にしました。
見並:
企画内容について具体的に教えてください。
上矢:
最初にイメージした理想は、育児休業中に限らず、場所に依存せず勤務できる仕組みがあれば働くお母さんにとっては融通がきくということ。
また、スキルについても場所を限定せず習得できるように、
JMOOC(ジェイムーク)というオープンオンライン学習のサービスを使用した学習や、マッチングのための派遣部の設立、企業側に自分のキャリアプランをあらかじめ提出して人材配置の材料にする、などの仕組みづくりを企画しました。
見並:
『学ぶ仕組み』と『チャレンジ環境』を同時に作るということですね。
最近は育休中の働き方について見直しをする企業も増えていますが、世の中全体で見ると、まだまだ浸透しておらず、お母さんの声が人事まで届いていないというのが現状です。
私自身も4年前に育休を取得しましたが、育児のすきま時間に仕事をしたいと思っていました。当時は「1年近く休んで、戻ってもちゃんと組織で役立てるのか?」という不安がとても大きかったです。
少しでもキャリアアップの時間をとりたかったと今でも思いますし、今育休中の人たちにもそういったニーズはあると思います。
アイディアの生み出し方
■ このアイディアは、どんなきっかけで生まれたんでしょうか?
見並:
学生の時では目が届きづらい社会や企業の人事問題に、どのようにしてたどり着いたのですか?
上矢:
まだ全員社会に出たことはないけれど、結婚・出産などのライフイベントがあっても仕事を続けたい、という思いは同じでした。
メンバーの3人でスタバで雑談をしているときに、「将来こんな働き方をしたい!」や「時間や場所に関係なく、働ける仕組みがあればいいね」という話題になり、リーダーの子が今回のアイディアにつなげてくれました。
見並:
「課題を解決する!」と構えてしまうと堅実な方向にいきがちですが、現状を覆すような発想というのは、リラックスしているときに生まれることが多いですよね!すごく盛り上がったんじゃないですか?
上矢:
そうですね!自分の希望も含めて、3人それぞれアイディアは出てきました。ただ、どうしても斬新さに欠けるというか、決定的ななにかが足りなくて、そこには頭を悩ませました。
見並:
ひとつのアイディアに留まらず追及するという姿勢はもはやプロフェッショナルですね! 挑戦するからには、やはり優勝を狙っていましたか?
上矢:
狙っていました!笑
デーサイ主婦のアイディアが出てから、それを柱にしようと決めていたのですが、それまでに浮かんだアイディアもひとつもムダにしたくない!という気持ちもあり、すべてを混ぜこんだ結果が、WiDSで発表した内容です。
見並:
なるほど。絞らずにすべて盛り込んだんですね。
上矢:
はい。すべてを繋げてうまくまとめるのは大変でした。
アイディアを形にする難しさ
■ アイディアが決まってから発表までに苦労した点はありますか?
上矢:
アイディア出しも大変でしたが、アイディアだけでは単なる想像になってしまうので、未経験領域に対していかに現実味をつけていくか、という点に苦労しました。
見並:
どのように解決しましたか?
上矢:
オンライン学習など実際にあるものをアイディアの中に組み込み、「これなら実現できそう!」と思っていただくための工夫をしました。
見並:
グループワークで難しいのは着地点を絞ることだと思います。メンバー3人の意見をまとめるのは大変でしたか?
上矢:
そこはチームの相性がよかったのか、全く困りませんでした。意見を削るというよりは、ひとつのアイディアに対して「こうしたらもっといいんじゃない?」と広げることを意識しました。
見並:
軸の部分にしっかりと全員が賛同してたこともよかったのかもしれませんね。
上矢:
そうですね。冒頭でお話しした「時間や場所に関係なく働ける仕組みを作りたい」という想いを共通して持っていたので、スムーズでした。
最優秀賞受賞後の周囲の反応は?
見並:
最優秀賞を受賞したあと、まわりの反応はいかがでしたか?
上矢:
とにかく両親が喜んでくれました!先生方にも褒めていただけました。驚くことに、インターネットメディアのインタビューやテレビの取材も受けました。
見並:
それは大きな自信になりますね!
上矢:
はい! モチベーションが上がり、授業も受賞以前より身が入るようになりました。
見並:
学生のうちに、具体的な評価をもらう体験というのは貴重ですね!
今後もチャレンジを続けられる予定ですか?
上矢:
実は、次回のWiDS※のコンテストもいまから狙っています(笑)
見並:
2020年もRejouiは運営に携わっていきます。コンテスト会場で会えるのを楽しみにしていますね!
※2020/03/17(火) 広島市にて開催予定 https://wids.hiroshima.jp/
※2020/03/18(水) 東京・ 六本木にて開催予定 https://wids-ycu.jp/
上矢さん、ご協力ありがとうございました。
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