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Mountaineers - Basic Alpine Climbing コース ‐ 雪山演習

昨年、Mountaineers が提供する Basic Alpine Scrambling コースを受講し、今年は Basic Alpine Climbing コースに挑戦中です。Mountaineers や Basic Alpine Scrambling に興味のある方は、過去記事を参照して下さい。下の方にリンクを貼っておきます。

Basic Alpine Climbing コースは、高度な技術と深い知識を必要とする登山に焦点を当てたコースです。例えば、雪崩に関する事前情報の収集方法、現地で雪崩を回避するためにすべき観測方法、氷河を渡る際のクレバスの危険や滑落時の対応、マルチピッチクライミングなど、様々な知識や技術の習得を目的とします。

先日、Seattle 近郊の Mt. Rainier National Park (レーニア国立公園) 内の標高1,700m 付近での1泊2日の雪山・氷河実習に参加しました。実習内容は、登山チームとしての、雪山におけるテント泊の(出発前の)準備、現地における設営場所の選定、実際の設営、あるいは、グループでのロープを使った雪原や氷河横断の演習、滑落防止のための簡易ビレイ練習などが含まれました。また、クレバスの危険や、夏場でも雪崩が起こる可能性がある高山登頂時の準備や登山中の安全確保についても学び、暗闇の中での装備準備やグループでの行動計画の演習も行いました。これらの演習は、登山におけるリスクを最小限に抑えるための基本的な技術を習得することを目的としています。

公園内の駐車場にて準備中。モコモコになっていますが、風が強く、この状態でも『やべ、もっとインナーウェアの重ね着をするべきか?』と不安を覚えているところです。
これは駐車場から 400m くらいの位置で、キャンプ設営地に向け、スノーシューを履いての登山中。ちなみに、この時点までは個々の体力などを確認するため、チーム内で歩行が早い者と遅い者とに分かれ、かなり間延びした間隔となっております。この地点以降は、それを踏まえてチームとしての速度が決まり、団体での行動が開始されました。
前日からの降雪で40~50cm の新雪があり、テント周囲の雪を固めるのに一苦労でした。
取り敢えず、自分の寝床は確保。
共同で利用するキッチンの設営中。マットの下がテーブルとなり、2人の友人はベンチと足場作りの真っ最中。蛇足ながら、テント場の設営はチームによる共同作業のため、私も写真を素早く撮ったら、直ぐに作業に加わっております。
こちらはキッチンの外観です。中は 12 人くらいが入れるサイズとなっています。ちなみに、左の赤と真ん中の青いジャケットの二人はサブ・リーダーです。そうそう、この国立公園内の冬場は、(雪が深く、地面を掘れないので) ”大きなトイレ”をしたらばビニールに入れて持ち帰るのがルールとなっています。また、雪などで見通しが悪く、別の誰かが用を足している場面に遭遇しないよう、トイレの場所も作りました。
紫のジャケットの女性は、テントではなく 雪洞でのキャンプを選んだので、他のメンバーもその雪洞作りを手伝っています。念のためですが、私も手伝いました。
雪のブロックを作り、それを屋根にする予定としていたのですが、新雪が深く、雪のブロック作りが容易では無かったことから、工事現場で見るような青いタープを張って完成 (他の作業や、この後の実習の準備やらで完成した雪洞を撮り忘れました・・・・)。ちなみに、一夜を過ごした彼女の話では、風も吹き込まず、寒さは感じなかったそうです。
テント設営後、本格的に実習がスタートしました。この写真は吹雪の中でのロープ訓練です。写真では見えませんが、この3人はロープで結ばれています(3人1組)。もしも雪渓やクレバスに誰かが滑落した場合、滑落した人が『フォール!』と大声で叫び、残りの2人は素早く腹ばいになり、ピッケルを雪面に突き刺し滑落を止めます。
1時間くらいロープ訓練をした後、次の演習のため小休止中。次の演習は撮影しませんでしたが、(ロープで繋がれていない) 単独で雪渓や氷河で滑落した場合に実践する、滑落回避技術練習でした。興味のある方は、下のリンクにある Basic Alpine Scrambling を参照して下さい。
初日の訓練が終わって、キャンプ地に戻ってきました。ロープの間隔は5~7mくらいでしたが、お互い繋がっているため、歩行スピードを合わせねばなりません。ロープがピンと張ってる感じがしたら、前の人は速度を早め、逆に緩んでる感じがしたら、ペースを落とす感じなのですが、このバランス取りは難しいです。
キッチン内にて、みんなで夕食中。中はかなり暖かでした。
翌朝、早朝5時に出発するため、30分前からヘッドランプの光を頼りに、アイゼンを装着したり、ロープを準備したりとバタバタしています。残念ながら、出発時間に10分遅れでチームの準備完了。
なにしろ新雪が深く、スノーシューを履きながらもやたらと足を取られました。
キャンプ地から1時間くらいの場所までロープ訓練を行い、ここで U ターンしています。
こちらも滑落防止訓練です。これは黄色のジャケットのクライマーが登ってくる場合 (つまり赤いジャケットに近づく場合) と、逆に下る場合の両方で使えるテクニックで、アメリカでは Hip Belay (ヒップ・ビレイ) と呼ばれています。これのもう少し簡易版として、立って行う Standing Belay も練習しました。
私は1人用モンベル・ステラリッジ・テントでキャンプしたのですが、夏は全く問題無いのですが、雪のあるような条件下では、ちょっと手狭でした。バックは外に出しておいたのですが、それでも、他の装備も多く、多少重量が増しても、雪山には2人用が最適解かもしれません。実際、友人2人は、2人用テントを使用したのですが、装備が多いため3人用が必須だったと言っておりました。
キャンプ地を引き払う前、穴を掘った場所は雪で埋め直すのがマナーとのことで、雪洞やキッチンやらを壊して、穴を埋めているところです。実は、設営より大変だったかもしれません。
駐車場に向けて最後の行進。
結局、この2日間、ほぼ雪は降り続きました。
駐車場にて、無事帰還集合写真 (生徒は25人、3チームに分れ、それぞれのチームに2〜3人のインストラクターが引率してくれました)。


Mountaineers については、こちらを。
滑落回避技術の写真はこちらです。

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