第37回ファンタジア大賞・大賞受賞作「召喚学園の生徒だけど守護獣が異形すぎて邪教徒だと疑われています」に寄せる雑感
第37回ファンタジア大賞の頂点に立った作品だ。
声優の雨宮女史から「アンバサダー特別賞」も授与されたというダブル受賞作であり、その戦績は眩いばかりだ。
公開されているあらすじと選考委員の先生方のコメントから、クトゥルフ神話の要素を取り込んだ作品だと理解した。
編集長の「不気味さとノリの良さが融合したオリジナリティが光る作品」というコメントを見て、否応なしに期待が高まる。
きっと、絶対、これは面白いやつだ!
何より設定が楽しい。
行き違い、勘違い、スレ違いが調和して、心地よい物語になっている予感がする。
キャラメイクも非常にナイスであると、選考委員の先生方からのお墨付きがある。本当に期待大だ。
こうなってくるとイラストにも期待が広がるというもの。
既に愛くるしいキャラクターが公開されているが、そこはクトルゥフ由来であるからして、これで終わりというわけではあるまい。
少女の皮を剥げば、剥き出しの狂気がそこにあるはず。
それをイラストで表現するというのなら――ものすごく楽しみである。
一点、気になっていることがある。
作者の夜迎(よむかえ)先生が、クトルゥフへの啓蒙を深めたルートについてだ。
まず、独学での勉強や、TRPG。それにGA文庫作品経由が考えられる。
あとはスマッシュ文庫作品経由か。
どちらも私がとても好きな作品である。
上記のルートであれば、人間性を損なう(捧げる)ことなくクトルゥフ成分を摂取できるはず。懸念点はない。
問題は、先生がクトルゥフに触れたルートがニトロプラス若しくはヤーナム由来であった場合。
これは由々しきことである。
これらのルートに頭が染まりきっているのであれば、十分な注意をもって話しかける必要があるからだ。
どちらかというと頭ヤーナムである方が危険だろう。
歓談の機会があった折、会話中にいきなり攻撃してくることが考えられる。
頭ニトロプラスであった場合も油断できない。
世界を正常に認識できていない可能性があるからだ。
とはいえ、ここまで期待値の高い作品を生み出した先生であるから、創作の経緯とかを色々聞いてみたい。
私には思いつかない発想であり、その独創性がたまらなく面白いからだ。
私は、先生と名刺交換できる日を心待ちにするとともに、その作品の狂気を味わえる日を楽しみにしている。
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