令和4年に特定行政書士になっていた話(後編:法定研修について)
ここでは、行政書士法第1条の3第2項に規定する研修(法定研修)について、修了(特定行政書士の付記)までの流れを令和4年度における私の実体験を基に書いておきます。この法定研修は、所定の講義を受講し、考査において基準に到達することによって修了し、以って特定行政書士となります。ザックリとしたスケジュールは以下の通りです。
申込
例年、4月~6月中旬くらいまでが申込期間となり、申込用紙に所定の事項を記入してFaxにて申込みます。
折り返しの受講料払い込み通知をFaxか郵送で受領し、6月下旬までに、受講料(8万円)を払い込みます。
ここから若干のプレ学習時間が生じるので、予習を実施しておくのも良いかもしれません。任意(修了すべき法定研修には含まれない)の学習ツールとして、特定行政書士に係る有料コンテンツが通年で配信されています(なお、後述しますが法定研修の講義動画は視聴期間に制限があります)。講義動画が数種類と例題集が2種類(行政法周りと要件事実・事実認定論周り)あります。ちなみに、私は例題集を購入して考査直前まで使用していました。
その後、7月中旬~下旬あたりに、研修受講のための資料一式(受講票、テキスト、手引き等)が宅配便にて送付されるので、これを受領します。
講義受講
受領したメインテキストおよび行政法と要件事実に関する2冊のサブテキストを使い、行政法、要件事実・事実認定論、(特定行政書士としての)倫理についての講義を受講します。
令和4年度においては、新型コロナの影響もあり、会場に集合する型の研修の開催はなく、メインテキストに沿ったVOD(Video On Demand)と呼ばれる講義動画を視聴する形態での研修でした。この講義動画は視聴可能期間の制限があり、令和4年度は8月1日(水)~9月16日(金)でした。この期間内に全18講の講座(講義動画)を視聴することとなります。
各講義動画を最後まで視聴すると、視聴完了を意味する修了証を電子的に発行・承認してもらいます。期間内に全18講分の修了証すべてを承認してもらうことにより、考査の受験資格を得ます。
このVODというのは、機器(PC、タブレット、スマホ)とインターネット通信環境を準備できれば、時間や場所を選ばず、自己都合でいくらでも中断・再開ができるので、兼業・副業や他に就学中の人、在宅が望ましい状況にある人、等にとっては、とても助かる形態だと思います。さらに、当該VOD研修は期間内であれば何度でも視聴できる形態であるため、復習・周回にも優しい作りになっています。
欲を言えば、リアル会場で受講する形態の研修における醍醐味である講師との交流、あるいは受講者同士の繋がりや切磋琢磨、等に関して、何らかの仕組みが構築できれば、更によいのではないかと個人的には感じます。
考査受験
マークシート択一式で計30問、2時間(例年、14時~16時の全国一斉開催)。
科目・配分としては、行政法総論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法で計20問、要件事実・事実認定論、倫理(を交えた複合問題)で計10問、となっています。ちなみに令和4年度は10月時点での新型コロナの状況もあり、検温、マスク等の各種対応をしての会場開催でした。
考査の内容の印象としては、まず要件事実・事実認定論という争いごとについての法学的な基礎に加え、行政法周りも行政との争いにあたる不服申し立て関連という、「争い」に関する出題が濃いめに感じられました(当然といえば当然ですよね、、、なんか薄い印象ですいません)。
なお、令和4年度の時点では、考査後に問題やそれらに対する正答に関する公式な発表は行われません。
ちなみに、公式な発表といえば、例年、日本行政書士会連合会の会員ページ(連コン)内にて公表事項として、申込者数、受験者数、修了者数、および合格率が掲示されます。
正答の公表がない件については、個人的には、考査を受けた者は、最終的には全問を正答できる知識(調査・会得する技術を含めて)および倫理観を自己研鑽によって身につけよ!、という温かい応援メッセージ・エールとして受け取っています(、、、って、これはさすがに自分でも歯が浮いた、、、)。
まあ、そういう意味では、考査後には各問の正答の確認のみならず、各選択肢の正誤を掘り下げて確認・検討をする姿勢が望ましいのかな、とも思います。
修了とそのあと
考査結果の確認
例年11月中旬に、日本行政書士会連合会のサイトに修了者一覧が考査受験番号で掲示されます。
参考までに、令和4年度は11月16日(水)でした。ちなみに、この日が法定研修の修了日、すなわち行政書士としての登録に特定行政書士が付記される日、平たく言うと特定行政書士になった日、となります。
付記とその通知
考査結果発表後、修了証に先立って、行政書士法第7条の3に定められた書面、すなわち付記通知書が送付されてくるので、これを受領します。
ちなみに、付記されたことの簡単な確認方法として、日本行政書士会連合会のサイトにある"行政書士を探す"のコンテンツのうち、"行政書士会員検索"にて検索する方法があります。検索結果リストにおいて付記の有無が、更に詳細のページでは上述した"特定行政書士になった日"が記載されています。このオンラインの対応は結構早いようで、郵送にて通知書を受領した瞬間、いち"遅く"私が気がついたときには、既に対応は完了していました。。。
修了証の受領
付記通知書に続いて、合否通知書と修了証および幾つかの案内書類が一式で郵送にて届きます。
個人的には、先にもらった味気ない感じの付記通知書よりも、後から届いたこの立派な修了証のほうが、受領した時の高揚感が、なんとなく大きかったような気がしたのですが、それは私が古いタイプ(?、アナログ型?)の人間だからかなー、とも思ってしまいました。。。
証票への記載
特定行政書士であることは、行政書士証票にも付記されます。このため、新たな行政書士証票を発行してもらうことになります。専用の書式(特定行政書士の付記に伴う行政書士証票記載事項変更手続書)に必要事項を記入し、写真1枚を添えて所属の行政書士会を経由して日本行政書士会連合会へ提出します。
なお、旧行政書士証票は、新たな証票の発行を受けたら、旧証票は返還する必要があります。
私は実は、この時期に既に事務所移転(都道府県外)を考えていたため(実際、この文章を書いている時点で絶賛移転中です)、証票の作り直しは保留しました(移転先の行政書士会で発行される証票にて対応していただく予定)。
徽章
丁度、令和4年に特定行政書士の徽章が作成され、既に特定行政書士の付記を受け、最初の受注期間(令和 4 年 8 月 25 日~9 月 30 日)に申込みをしていた先輩方は令和4年12月くらいに受領していたようです。以後は年1回、法定研修の修了通知や修了証を受け取った後(12月~翌1月)が受注期間となり、3月ぐらいの受領というスケジュールになるようです。私も令和4年12月~令和5年1月の受注期間中に発注しており、間もなく受領する予定です。
そして特定行政書士として
こうして法定研修を修了することにより、晴れて特定行政書士として活動・業務の幅がさらに広がり、また深みを増すことができる環境を得ることができた訳ですが、実際にナニをドウしようか、については、まだちょっと、公にする程のことは実行を開始していません。。。なんか、一番大事な部分だよなー、と自分でも思いつつ、この辺については、投稿するような出来事があれば、別途、公開していこうと思います。
それでは、この辺で後編も終わりにしたいと思います。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
サポートは、とても励みになりますので大歓迎です!。より良い記事をたくさん書いていきますので、よろしくお願いいたします。