「人は話し方が9割」の真実!人間関係を良好なものにする決定版!
些細な一言で周りを敵に回している人、一言足りないことで損している人、何故この人はこんなことを言うのだろう。なぜここであの大切なことを言わないのだろう。皆様もそんな風に感じたことはありませんでしょうか。
話し方ひとつで相手に与える印象は大きく変わります。相手に良い印象を与えることができるのか。それとも悪い印象を与えてしまうのか。その分岐点は日常の些細な部分でどんな風に話すのかで決まると本書では主張されています。言葉だけのテクニックを身につけるのではなく、話し方の根本を変える必要があるとのことです。
昨今話し方の教室というのはどこも学ぶ側が待つほど大繁盛にしているらしいです。これはそれだけ話し方で悩んでいる人が多いことの表れとも言えるかもしれません。しかし、単に口から出す言葉だけのテクニックをいくら学んだとしても残念ながらうまくいかないのです。それはあなたの話を聞いている人はあなたの口から出る言葉だけでなく総合的なものであなたの話を聞いているからです。あなたも相手が口先だけのテクニックを使ったとして、「この人の言葉は信用できる」とか「この人はいい人だな」とプラスの印象を持つことは少ないでしょう。きっとあなたも相手のことを総合的に見て信用するのかしないのか、いい印象を持つのか悪い印象を持つのか、全て決めていると思います。だからこそ話し方についてはその根幹から学ぶ必要があります。話し方について根本から学ぶことによって人生を根底から変えていくことになります。人は話し方を変えるだけで人生の9割が変わるのです。その真髄を追っていきたいと思います。
①否定のない空間
子供の頃はおしゃべりすることが好きで誰にでも積極的に話しかけることができたのに大人になるにつれて話しかけることができなくなってしまった。そういう人は多いと思います。自分は話すのが苦手だと思い込んでいる人はなぜそう思い込むようになってしまうのでしょうか。多くの場合それは経験が元になっていると言われています。
”人前で話した時、急に頭が真っ白になってしまった”
”何を言っているのかわからないと言われて自信をなくした”
”声が小さいと言われてどうしていいのか分からなくなった”
こうした苦い経験が積み重なり自分は話すのが苦手と思い込むようになってしまうのです。これは言ってみれば話し方における自己肯定感が失われてしまっている状態と言えます。自己肯定感、これはキーワードとして覚えておいていただきたい言葉です。この言葉を耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
最近テレビや雑誌でよく取り上げられるようになったこの言葉、よくご存知ない方のために紹介しておきましょう。自己肯定感は読んで字のごとく自分自身のことを肯定できているかということです。例えば自分は今しっかりと自分の人生を生きている。周りの人が何と言おうと自分は価値のある人間だとすぐに口に出せる人は自己肯定感の高い人と言えます。一方自分に自信がない、周りの人おからどう思われているのかをどうしても気にしてしまう。こういう人は自己肯定感の低い人ということになります。あなたはどうでしょうか。
健全な自己肯定感を持つことが大切です。それは自信の源になります。自信があるからこそ堂々と話すことができ、言葉数も多くなり、さらに自己肯定感が高くなる。裏を返せばうまく話せない、良い人間関係を築けないということは自己否定感の元になってしまいます。するとうまく話せないから会話から逃げ、更に会話できなくなるという悪循環に陥ります。本来は一度や二度の失敗で話すことが苦手という強迫観念を持つ必要は全くありません。しかし話すことが苦手だと思い込んでいる人の多くは、数少ない過去の失敗や心無い誰かの指摘が原因となって話すことに苦手意識を持ってしまっています。持つ必要がなかった苦手意識を持たされてしまっているのです。このように過去の苦い経験で失ってしまった自己肯定感を取り戻すにはどうしたらいいのでしょうか。
話すことを通じて失った自己肯定感は、やはり話すことを通じて取り戻すのが一番です。そこでキーワードになってくるのが全肯定なんですね。話している相手を消して絶対に否定しない。そしてあなた自身も否定させないということです。つまり相手との間に否定のない空間を作るのです。人は自分を肯定してくれる人を肯定するようにできています。そこであなたが相手を否定しなければ相手もあなたを否定しなくなっていくのです。相互全肯定の状態です。その体験の中で自然と自己否定感が薄れていき、自己肯定感が高まります。元々話すことが嫌いになるきっかけは、うまく話せなかったことにより自分自身で自分の話し方を否定するか誰かにあなた自身の話し方を否定されるかのどちらかです。だからこそ否定しないこと、これが何より大切です。お互いに肯定し合う、相手を肯定すると同時にあなた自身が否定のない空間に身を置くことが大切です。自分を楽に楽しく肯定できれば確実に話し方は上手くなっていきます。また人間関係も今よりずっと楽に良好になって行きます。ほとんどの人が話すのが苦手なのではなく、話せるというメンタル状態に持っていくことが苦手なだけなのです。そして話せるというメンタル状態に持っていくために大切なのが否定のない空間です。ではどうすれば否定のない空間を作ることができるのかそこを次の項目で詳しく見ていきましょう。
②否定のない空間の作り方
否定のない空間が今現在の日本でなかなか存在しません。耳をすませばそこらかしこから否定の言葉が聞こえてくる、そんな日常を生きる私たちにとって否定のない空間というのは夢の話のようにも思えます。しかし、ほんの少しの心がけで否定のない空間というのは作ることができるのです。そのために必要なルールは ①否定しない ②頷く ③プラストーク この三つです。
①否定しない
マイナストークで未来を語るとどんどん現実の未来が暗いものになってしまいます。否定的な言葉を使えば使うほど会話の空気はどんどん汚れていきます。しかし私たちは否定の言葉を使うのを止めることができません。
会議でよく見かけられる光景ですが、誰かが何かを発言した時に”それは違うだろう”という空気が流れることがあります。そういう空気が会議全体を覆ってしまうと人の潜在能力、つまりパフォーマンスは低下してしまいます。そして誰もが口を閉ざすようになってしまいます。しかし会議において本当に大切なのは意見や感想がどんどん出てくる場にすることです。最初から決まっている正しいことを実行するのであれば会議をする必要はありません。正しい会議を行うためには意見をたくさん言ってもらうこと、意見の質よりも数が重要なのです。数を出してもらうことで一人一人のパフォーマンスが上がることが最重要課題なんです。遠慮なくいろんな意見を出してもらうことで場の空気は前向きになり、人前で話すことが楽になっていきます。これは日常生活でも言えることです。例えば子供の意見を親がすべて否定してしまっては子供はだんだんと自分の意見を言わなくなっていきます。当然のことです。否定されると分かっていてわざわざ自分の意見を言う人はいません。するとどんどん会話が減っていき関係性が薄くなりさらに会話が減っていく悪循環に陥ってしまいます。自分の価値観を挟まず相手の意見を聞く、相手の意見には相手なりの考え方があるのです。絶対に否定してはいけない、そこを頭に置いておいておくことが重要です。
②頷く
二つ目は頷きの徹底です。”頷き”ただ首を縦に振るだけです。人間関係においてこの習慣を身につけるとかなり役に立ちます。この頷き文化が人の心の扉をあけ、安心を生み出していく最高の方法なのです。
何かを人前で発表するときは誰でも緊張しています。しかしその中にに頷きながら聞いてくれる人がいたら人は自然と話せるようになります。何を言っても頷いてもらえると安心するからなのです。そしてその安心感が話す力をどんどん引き出していきます。つまり乗ってくるんです。人間のパフォーマンスは力んだ時よりもリラックスしている時の方が上がっていきます。また先ほどの話と繋がっていきますが、頷いているだけで話している方は自分が肯定されているような気持ちになるのです。すると自分が思っていることを自然と話せるようになっていくのです。是非頷くという簡単な動作を意識的に回数を増やして行なってみてください。
③プラストーク
前向きな話は人を元気にします。逆に後ろ向き、否定的な話は自分自身だけでなく聞く人のエネルギーも下げてしまうのです。
”人を褒めること”
”感動した話をすること”
”今の現状を良くしていこうとする事”
”最近あったいいことを話すこと”
これらはすべてプラストークです。明るい言葉が明るい空気を作っていきます。先ほども述べたように残念ながら私たちの周りはマイナス言葉ばかりが飛び交っています。私たちは知らず知らずのうちに否定的な空気の中に身を置くことが当たり前になってしまっているのです。上司の愚痴を言い合ったり、面倒くさいやる気が出ないなどという言葉が飛び交っている場所、そういう場所をプラスの場所に変えていくことは一朝一夕でできることではありません。まずあなた自身が話し方を変えたいと思っているのであればなるべくそうした場所には近寄らない、そうした場所から離れプラストークができる環境に飛び込んでいくべきなのです。一対一であればマイナスの話題が出た時にプラスの話題に変えることもできるのですが複数人の会話の場合それはなかなか難しいです。まずマイナスの話題を出た時にはその場から立ち去る、立ち去っていいんだということを頭に入れておきましょう 。
三つのことを意識することで否定のない空間に身を置くことができるようになります。否定のない空間に身を置くことで前向きに話すことができるようになり、少しずつ本来の自分を取り戻していくことができるのです。自分自身を全肯定してくれる場所に身を置くこと、それをまず第一に心がけてみてください。
③予習せず会話に望むことが間違っている
まず人の心理の三大原則を知っておきましょう。その三大原則とは
”人は誰もが自分のことが一番大切であること、そして自分に一番興味があるということ”
”本来誰もが自分のことを認めてほしいし、自分のことをわかってほしいと願っているということ”
”人は自分のことをわかってくれる人を好きになるということ”
この3点です。みんなから好かれていて会話がうまくいく人ってはここをしっかりと理解して人とコミュニケーションを取っているのです。
最近は会話法の本がたくさん発売されている影響か、この知識自体を知っているよという方多いと思います。しかし実際に実践できている人となるとほとんどいないです。いざ会話になると緊張もあってか沈黙を破るために自分の話をし始める。何か話すことはないかと頭で考えているうちに相手の話が耳を素通りしてしまう。そんなことばかりが起きるのです。多くの人が相手の話を聞くことが何より大事だとわかっているのに実践できない。それがわかっているなら実践するための方法を考えなくてはなりません。そのための方法が会話の予習なんです。
こんな時はどうすればいいのか、あんな時にはこんな言葉が有効だ、など話を広げるキーワードリアクションをリスト化しておき、シチュエーションによって使い分けるのです。そんな作り物の会話でいいのかと思われるかもしれませんが、リアクションを完璧に完全に覚えているからこそ余計な事に頭を使わず会話の本筋に集中できるのです。いちいち相手を喜ばすようなリアクションを頭の中で考えていては会話の内容が頭に入ってきません。しっかりとキーワードリアクションをストックしておく、それが実りある会話をするためには必須なんです。ここで著者がストックしているリストの一部をご紹介しましょう。
”そうだよね、わかるよ”
”大変だったね”
”そうなんだ、よくがんばったね”
”よかったね私も嬉しいよ”
”それはすごい”
”やっぱりさすがだね”
”うんなるほどなるほどそれでどうなったの”
”さあ面白くなってきたね”
”とても勉強になりました”
”ありがとう本当に嬉しい”
”大丈夫必ずうまくいくよ”
”私はあなたの味方だからね”
”一緒に考えよう”
”あなたのおかげです”
”助かります”
”これからも宜しくお願い致します”
このようなキーワードを意識的にストックしておき話すのと、その場しのぎでその場の思いつきで話すのとでは結果は全く違ったものになります。このキーワード自体も思い出すレベルでしか覚えられていないと実際の会話で使うことはできません。
人の心というのは大きく分けて意識と無意識でできています。例えば明日テストがあるという日に一夜漬けで覚えるという記憶法は意識の力を使っています。意識の力を使った記憶法の場合テストの時までは何とか覚えていたとしても、テストが終わった瞬間から忘れてしまいます。会話のキーワードを覚えるためには無意識の力を使うこと、これをお勧めしたいと思います。無意識の力を使うというのは結局のところを習慣化することなのです。習慣化したものは滅多なことであなたの心の中から消えることはありません。日常的に何度も何度も会話で使って身体に染み込ませて行く。覚えにくいなと思ったフレーズはトイレの壁などを何度も目にするところに貼っておき自然と口から出てくるレベルまで落とし込む。受験勉強的な努力ですが話し方で人生を変えようとそこまで思うのならそこまで努力する必要があるのです。
本を読んで明日からすぐ人生が変わるわけがありません。人生を変えたいと思うのなら考え方を話し方を根本から変える必要がある。そのためにはもちろん努力が必要なのです。しっかりと覚えておいて欲しいと思います。
まとめ
人間力や傾聴力など人間関係を良好なものにするための考え方は非常に多く存在します。おそらくどれも正解でしょうし、相手があっての話なので必ずしも正解があるわけではありません。そんな中、この本で訴えられている考え方はその一部分になり得るものだということは間違いないと思います。
”あの人感じいいひとだね”
”あの人と会いたいな”
”あの人と話をすると元気になるのはなぜかな”
そんな風に感じる人に共通するのはこの本で訴求されている点があるかもしれません。人生では色々な出会いがあり、色々な刺激をもらいますが、どうせなら自分が他人に対して与える刺激は上記で記載したようなポジティブな刺激にしたいものです。そういう意味でこの本が非常に参考になります。
明日もいい1日を!