ACCAの方がUSCPAよりも楽しくて簡単。だと私は感じました。
英語も使える会計士資格と言えば、日本ではUSCPAが有名です。
しかし他の国では、ACCAの方が 主流の国は沢山あります。
やはり気になるのは、その難易度の差ですね。
両方受験、合格した私の個人的な感覚ですが、今日はその両者の比較をしてみます。
まず、USCPAは受験資格が厳しいです。
州によりますが、一定の量の会計関連の単位を取得しないと、受験すらできない事が多いです。
この事前の単位取得やら審査やらでもうやる気なくしてしまったという方も 実は一定数います。
そして頑張って受験資格を得ると(州によりますが)4科目の試験を1年半以内で全て合格する必要があります。
財務会計やビジネスは合格するのですが、その後に日本人が特に躓くのが、Auditです。
これに関しては、実は私も万全を期して挑んだつもりが、何故か不合格。
このAuditは英語がなんとも特殊で、選択肢のうち2つは全く同じことを言っているようにしか読めないような、英語的にも難解な試験でした。
わけわからなくて、かなり勉強はつまらなかったです…。
これもクリアすると、法律の科目があります。
アメリカの税法を学ぶのですが、アメリカに住んでいない人間からすると、リアリティが無さ過ぎて、何を聞かれて何を答えているのか、なんだかよくわからないまま、試験に挑んだ記憶があります。。。
テクニックでなんとか合格はしましたが、あそこで得た知識は何だったんだろうという感はちょっとありました。(笑)
1科目のボリュームはかなりあります。
万全を期そうと思うと、アメリカのUSCPAの専門学校の参考書の問題を何度も解く必要があります。(私はそうでした)
これが紙がペラッペラで、字が小さく、まさに電話帳のような参考書をこなしていくイメージになります。
もちろん、もっと要領よく合格する、賢い方もいるでしょうが、私のような凡人は努力、努力で、寝る間を削って、プライベートもかなり犠牲にして、毎日かなりの時間を勉強に注いでなんとかかんとか合格した、そんな感じの難易度になります。
2年程度の間、勉強時間がそれなりにある方、もしそうでなければ、英語がそれなりに得意だったり、会計や数字に自信がある方でないと、1年半以内にすべてを合格するのは簡単ではありません。
ですが、短期間で終われるというのと、知名度があるので、短期間で資格を取って、ガラッと転職して人生を変えたい!という方で、時間と能力がある方にはやはり良い選択肢だと思います。
一方でACCA。
こちらは受験資格が緩いです。
会計の単位を取っていると、受験科目が免除になりますが、会計の単位を取っていないからと言って受験できないわけではありません。
大卒程度の学位を取得していることが受験資格とされてはいますが、これを満たさない方でも、Foundation levelというところから学習をスタートすることができます。
高卒でも問題なく受験できるんです。
受験資格が与えられると、13科目の試験が待っています。
人によっては1から4科目程度、免除になってきます。
それぞれの科目は、互いに関連しており、重複するエリアも結構あります。
例えば、財務会計に関する試験などは、3科目もあります。
3回、徐々にレベルが上がっていくような試験となります。
重複もあるので、1科目のボリュームはUSCPAに比べると少ないかな、と思います。
私の生徒さんにおかれては、テキストをほとんど読まずに合格してしまう人もいます。
難易度としても、過去問とそこまで変わらないような、割と基礎的な問題が出題されます。
基礎的な問題であり、50点を取ればよいので、合格率が50%を超える科目も多いです。85%程度の科目もあります。
簿記検定よりもはるかに合格率は高いです。
一つの難しさは、記述が多いということ。
Excelに入力する問題なんかも出ます。
しかし、それぞれの問題の難易度と、求められる合格水準は決して高すぎるわけではないです。
自分の意見を伝える、上手に採点官に見せる、ということを心がけて、記述から部分点を拾いにいくというタイプの試験です。
ここは慣れが必要です。
「自分の英語力ではどう書くのが時間を無駄にせずに、相手に確実に伝えられるか。」
こういうことを普段から意識して勉強をすることになります。
これは仕事で役に立つ能力です。
日本人は自分の意見を伝えることが苦手です。
しかし、海外や英語ではそれが求められます。
これをひたすら続けていくわけですから、実務で使う英語力という意味では、もうこれで十分戦えます。
個人的な考察ですが、これはイギリス人的な考え方が背景にある気がしています。
問題の大枠を捉えて、完璧は目指さず、自らの意見を伝えて、物事をまずは動かしていく。
問題が出たら、後で直していく。
こういう考え方でイギリス社会は成り立っているような、そんな気がしています。
1科目毎としては、基本的な事が多く、実務のケースのような問題も多いため、勉強が楽しいという方も多いです。
会社の買収の時にどうやって価値を算定するか。
暗号通貨は会計上どう処理をするべきか。
個人が会社を設立した場合、どうするのが最も税金が浮くか。
会社が設定すべきKPIは何でそれをどう計測、改善するか。
何だか楽しそうなお題がでます。実務で役に立ったことは多々あります。
楽しかったこともあって、私はACCAの方が楽に受かったと思っています。
そして何よりも魅力なのは、科目合格の有効期限が長い事。
途中で仕事や家庭で忙しくなってしまったり、体調を崩してしまったり、転職して忙しくなったとしても、それが落ち着いたらまた再開すれば良いのです。
続けていけば、最終的にたどり着ける可能性が高いという意味ではACCAの方が合格しやすいと言えます。
ACCAは科目免除が無いのであれば、最低3年くらいはかかる試験です。
3年も勉強するの、長いな、と思う人がたまにおられます。
ですが、正直、会計士になるということは、常に最新の知識にアップデートし続けないといけないので、そこから先、ずっと勉強し続けるということです。
自分の知識や経験をもってして、それを仕事にしていく、という方であれば、知的好奇心をもって、ずっと勉強していけるはずです。
そういう方にとって、この3年間はただの始まりに過ぎません。
というわけで、USCPAに比べてACCAがアプローチしやすい試験だと思って頂けたら幸いです。
学習内容もIFRSベースで多岐にわたる知識を得ますので役立ちます。
是非、検討してみて頂きたいと思います。
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