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父が玄関前で転倒して流血

夕方、母から電話がかかってきた。
「お父さんが、血を流して倒れていた」
えっ? どういう状況?

母に確認しようとするが要領を得ない。混乱しているようだ。

母「お父さんのそばに、男の人がいて••」
    「デイサービスの人が、家の中まで入れてくれて••」
    「お父さんが宝くじを買いに行って••」

ちょっと待って。順序立てて説明してもらわないと、なにがなんだかわからない。何度も聞き返して、ようやく分かった。

母がデイサービスから戻ってきたら、家の前で父が鼻血を出して倒れていた。父のそばには、若い男性が、付き添ってくれていた。

父は宝くじを買いに出かけ、戻ってきて家の前で転んでしまったらしい。母のデイサービスの送迎車に乗っていたスタッフが、父を起こして、家の中まで移動させてくれた、ということのようだ。

母「救急車呼んだ方がいいかねえ?」
私「お父さんはなんて言ってる?」
母「痛いって言ってる」

そりゃ、痛いだろうけど、どの程度痛いのかって聞いてんの!怪我の程度がわからないと、どうしようもないやろ‼︎

結局、実家に行くことにした。今日は、ゆっくりしようと思って、もう風呂にも入ったのに。あーもう、まったくついてない。

実家に着いて父の様子を見ると、鼻と口を怪我してはいるが、そこまでひどくはなさそうだった。鼻が腫れていたので、念のため整形外科へ行くことにした。

最終受付時間10分前、滑り込みで整形外科の受付をした。順番を待っている間、父にどこが痛いか聞いてみた。

顔から転んで、鼻血が出た。口の中が痛い。手足や体は特に痛くない、とのことなので、顔の部分のレントゲンを撮ってもらうことにした。半年前に転んだ時は、肋骨にヒビが入って歩くのも辛そうだったが、今回の怪我はそんなにひどくなさそうだ。

父「〇〇(息子)が、助けてくれた」
私「〇〇じゃないよ、通りがかりの人だよ」
父「あーそうか」

父が転倒するところをたまたま目撃した青年が、父のそばで付き添ってくれていたらしいのだが、父は自分の息子だと勘違いしていた。

レントゲン検査の結果、骨が折れたりはしていないので心配はいりませんとのこと。ただ、倒れた前後の記憶が曖昧なので、しばらく様子を見てください、と言われた。

おかしいな。さっき私が聞いた時は、ちゃんと答えてたのに。たぶん、先生の質問が聞き取れなくて適当に答えたか、宝くじを買いに行ったのを咎められると思って、誤魔化そうとしたんだろう。

結局、大したことはなく、化膿止めの薬をもらって帰ってきた。

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