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語りかけたい人がいる。

自分の誕生日に特別なことをしたいと思ってしまうのは、何歳になっても変わらない。毎年誕生日に読み返している大好きな一冊 ”20歳のときに知っておきたかったこと” を持って、珍しくパソコンを持たずに家の近くのスタバで本を開いてみたら、あら不思議。みるみるアウトプットしたい欲に駆られたのだ。突然降って湧いた「noteでも書こうかな」という気持ち。それは私のアウトプットしたくてたまらないウズウズした想いと、自分の理想の未来を「書くこと」と向き合うことで見つけたいという焦りの表れでもある。

大学生の頃、毎朝8時に休まず更新するブログを開設した。自分が読んだビジネス書や学んだばかりの経営学の知識を残しておくために始めた「23歳女子のすくすく経営日記」というタイトルのブログは、気づけば毎日こつこつ5年も続き、形を変えながら沢山の人に読まれるようになっていた。多くの有識者のブログ記事を集めた「BLOGOS」に転載されるようになり、雑誌「事業構想」の未来を変える女性50人に選ばれたり、大学生を中心とした人材育成の会社を起業したり、ビジネス書を紹介するオンラインサロンを始めたり、NHK「ニッポンのジレンマ」に(今をときめく)古市憲寿さんと出演したこともあったんだった。当時なにかと話題になっていた ”ノマド” という言葉が懐かしい。

#平成ネット史 が話題になっていたけれど、私にとってのインターネット全盛期は、リビングのパソコンで夜な夜なフラッシュ動画を見ていた頃でもなく、ポストペットにおやつをあげるのが楽しみだった頃でもなく、多分この頃だったなあと思う。自分の考えていることや学んだことを背伸びして発信して、みるみるうちに集まる反響や周囲の期待が頑張る理由になっていた日々。初めてmacを買って、夜な夜なパソコンにかじりついて、Twitterのタイムラインの向こう側にいる友人たちの動向をチェックしたりして。(大阪にいた頃は)東京にいるインフルエンサーたちがそりゃもう眩しくて眩しくて、当時のスタートアップの内輪っぽい感じとか、シェアハウスとか、Fab Cafeのマシュマロが載ったラテにすら憧れたりしたんだった。2012年ぐらいの出来事。確かなものは自分の信念しかなくて、だけどその信念に生かされていた頃。未来はきっと明るいはずだと毎日必死に信じてた。

あれから色々あって(割愛)、今日、31歳になった。
タイムラインの向こう側に夢を描いてた私もそこそこいろんな経験をして、自分の軸である「Howto Taiwan」というメディアを大好きな仲間と立ち上げ、台湾に関わる仕事をしたり、オウンドメディアの運営や書くことを仕事にして、しゃかりき生きている。周りの人たちからは「台湾といえば、伶ちゃん」と連想してもらえるようになったし、全国ネットの番組で台湾の専門家としてコメントしたり、台湾旅行本の出版も決まったり、台湾の魅力を伝える日本人として現地メディアに取り上げられたり。

ずっとなりたかった「何者」かになれた!

だけどそのことに安心した次の瞬間「いや私は ”台湾” だけじゃないのに!」と、自分に対する怒りのような焦りのような欲張りな感情が生まれ始める。なんて面倒くさいんだろう、私!

世の中にバリバリアンテナを張ってたこと、読み漁ったビジネス書、毎朝8時にブログを更新するために5時から新聞を読んでいた日々。あのヒリヒリとした日々に単純に戻りたいとは思わないけれど、寝る間を惜しんでインプットして、ブログでアウトプットして、自分の可能性にわくわくしていた日々を恋しく思うことがある。インプットすればするほど誰かに発信したくなり、発信していると自分のネタが足りなくなってインプットせずにはいられなくなっていた良いサイクルの中にいたなあ。そのサイクルにもう一度身をおくためには、やっぱりアウトプットしなきゃなあ。

とか。そんなことを走馬灯のように思い出し「noteだ!始めるなら今!」とか思ったのが、今日の午後のできごと(2019/1/19)。

「23歳女子のすくすく経営日記」から8年経った私(ただのインプットに飢えたお母さん)のとりとめのない想いや気付き、”インプットのためのアウトプット”という本末転倒なnoteを一体誰が読んでくれるか分からないけれど。

だけどそれでも書かずにいられなかったのは、語りかけたい人たちがいるからだ。それはあの当時のブログを読んでくれていた読者の人たち。Twitterのタイムラインを通じて見つめ合ってた仲間たち。みんな変わらず夢を語ってるんだろうか?「皆どうしてる?」と聞きたい。「あの頃の夢は叶った?」「私こんなんなっちゃったよ(笑)」と笑いたい。

伝えたいことはあまりないんだけど、語りかけたい人がいる。
30代に突入して、それはもうめちゃくちゃモヤモヤした話とか、子供が可愛い話とか、読んだ本とか映画とか、「伶さんの次の野望はなんですか?」と聞かれて答えられなかった情けない話とか。

私の理想の32歳は、こんなふうに馬鹿みたいに頭の中身を全世界に垂れ流してはいないんだけど、絶対(笑)。でも理想とは逆のことをするのは、深夜にポテトチップス食べるみたいな秘密の楽しさがある。そうして書いている間にモヤモヤが晴れたり、自分が次に挑戦したいことが見つかったりすることもあるかもしれないしね。

昔よく聴いてた「Fireflies」をBGMにしたら、エモみも2割増し。

伝えたいことはないんだけど、語りかけたい人はいる。
”noteはじめました” とたった10文字で済む話を、これだけ長々と語る自分の悪いクセを久しぶりに思い出しました。

というわけで、一言。みんな、見てるー?

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